実感は湧いた

老荘思想には優れた処世術が盛り込まれている。

老子は外の社会に関心を持ち、
社会の中での明哲保身の術を教えてくれる。

荘子は内なる自己に関心を持ち、
逆境を内側から超える術を教えてくれる。


それぞれ格言を上げ、
その格言を
歴史上の実例を挙げて紹介してくれる。


以下、
特に心に残った格言を上げてみる。

・無用の用
　人は誰でも、
有用の用は知っているが、
無用の用には気付いていない。

　有用だけをガツガツ追い求める人間と、
有用を追いながら
　同時に無用にも心を配っている人間とではスケールがまるっきり違ってくる。


・虚心
　一切の雑念を捨て去り、
耳で聞かず心で聞く。


・上善水如
　水のような生き方。
水は万物に恩恵を与えながら相手に逆らわず
　人の嫌がる低いところに身を置く。

　水は器なりに形を変え、
どこにも無理がない。

　無理がなく自然である。


講義を直接受けているような調子で書かれていると感じ、

とてもわかりやすく実感がわきやすかったように思う。


が、
実感は湧いても、
老荘思想を実践するのは難しそうではある。
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