池澤さんらしいセンスと英断が魅力。
良書。
今後は「読むための古事記」としては、
本書こそ座右の書になるだろう。


古事記のあつかいで最も厄介なのは神名の列記だが、
それを省略せず、

しかも鬱陶しくない。
改行と、
漢字・仮名を使い分けて、
視覚的に分かりやすい
(その点に配慮したことを、
冒頭で池澤さん自身が明快に説明している)。


作家による現代語訳は、
古典を味あわせたいサービス精神からなのか、
往々にして、

現代人向けに希釈し過ぎたり、
蒸留し過ぎたりしてしまって、
興ざめする。

だが本書はちがう。
抑制をきかせた味わいながら、
仕込みも仕上がりも平板でない。


例えば、
有名な「国生み」の話。
イザナキのイザナミへの語りかけは、
こうなる。

「俺の身体もむくむくと生まれて、
生まれ過ぎて余ったところが一箇所ある。

きみの足りないところに俺の余ったところを差し込んで、
国を生むというのはどうだろう」

原文(本書に併載はありません)の「我が身は成りなりて成り余れるところ……」という
強調表現を、
「むくむくと」という擬態語に移しかえたのは、
いかにも池澤さんらしい。

他所でも、
こうした作家らしいセンスと英断がほとばしる。

ちなみに、
イザナミの答えは「それはよい考えね」。


さらに本書の長所は、
「現代語訳」でありながら簡潔な脚注がついている点。

「むくむくと生まれた」という解釈について、
脚注は以下のように説明する。

「原文の動詞は『成る』である。
ともかく古代には自然の力が溢れて、

すべてのモノがむくむくと生まれた。
古代人には豊饒への信頼があった」(p.29)

自分が古事記の逸話で個人的に惹かれるのは、
允恭天皇の子女、
カルノミコと
カルノオオイラツメ(軽皇子、
軽皇女)の悲劇と、
これにつづく、

安康天皇を弑逆し、
己も滅びるマヨワノミコ(目弱王)の悲劇だ。


池澤さんの訳では、
彼らのすさまじい物語が淡々と綴られ、

しかしそれゆえに、
惻々と、
しみわたる(pp.306-320)。

そして、
ここでも効果を発揮するのが、
過剰すぎない脚注だ。
古事記 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集01)

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