若い経営学とのつき合い方を学ぶ本

経営学はまだ若い学問であり発展途上の分野。
教科書なし、
間違いあり、
論争ありの激戦区。
すべてを鵜呑みにしてはいけない。
バラバラの考えをもった研究者が独自の視点で多様な理論を作り出しサファリ化する経営学の最前線をライブ感覚で楽しめるエッセイ集：

全体は３部構成：

■ 第一部：これが世界の経営学　（「経営学＝ドラッカー」は日本人の誤解）
経営学は「科学になる」ことを目指す。
しかし、
理論的な基盤を独自に持たない経営学は、
他の社会科学の分野から理論を借りて「理論武装」するため、
その源流に沿って大きく３つの流派（経済学派、
認知科学派、
社会科学派）に別れる。
ドラッカーは「名言であっても科学ではない」という理由から、
アメリカの最前線で活躍するほぼすべての経営学者がドラッカーを読まない。


■ 第二部：世界の経営学の知のフロンティア　（経営学最前線の研究のオムニバス）
(1)「守りの戦略（ポジショニング戦略）」は古い／「攻めの戦略」から「攻守組合わせの戦略」　　(2)組織の記憶力を高めるトランザクティブ・メモリー　　(3)統計に騙されてはいけない（内生性の問題とモデレーティング効果の配慮）　　(4)探索と深化を両立する経営（両利きの経営）　　(5)ソーシャル・キャピタル（強い結びつき）／関係性のソーシャル（弱い結びつき）／構造的なソーシャル（ストラクチュアル・ホール）　　(6)グローバル経営と国民性指数（ホフステッド指数／GLOBE指数）　　(7)超コミュニティー国家の出現　　(8)不確実性の時代の事業計画（リアル・オプション）　　(9)経営者が買収額を払いすぎてしまう理由　　(10)事業会社のベンチャー投資の戦略的な利用法　　(11)リソースベーストビュー論争

■ 第三部：経営学に未来はあるか　（役に立つ経営学になるための課題）
「理論偏重」、
「事実法則の軽視」、
「平均にもとづく統計の利用」を克服することが、
経営学の研究の課題。