明晰な図式化と図表化・説得されすぎるのがこわい
帯に「20歳になってわかる寓意文学の哲学」とあるので、
ファンタジー文学をあまり読まない思想系の研究者が、
そちらの分野の考え方やシステムを移築してななめから読み解く本かと思い、
なかなか手を出さずにいましたが、
パロディなタイトルや帯をはるかに凌駕した、
渾身の分析と作品への愛情が読み取れる快作でした。


序論では映画もふくめてざっと全体像に触れていますが、
それだけでも主題とキャラクターの読みときの深さがうかがえ、
第二部ではいよいよ全巻それぞれの総括とまとめに入ります。
あらすじ・キーワード、
おもなテーマが述べられ、
一般的な「○○がよくわかる本」のレベルではなく、
各巻の核心に踏み込んでいます。
一年間のカレンダーで事件をまとめてあるのも親切です。

 たとえば四巻『炎のゴブレット』では、
それまでの胎内回帰的な楽園の魔法学校の物語が終わり、
ハリーたちが社会という外気にさらされてゆく、
という展望が示され、
そこでのハリーの課題としてフェアプレーが、
ロンの場合は不平等が、
ハーマイオニーの場合には解放運動がたちあがってくるという具合に、
クリアーに整理されます。

 ことに全巻を通じて圧倒的にうまいと思ったのは、
ロンの分析で、
孤独な英雄のハリーや知性のハーマイオニーのあいだにあって、
「道化」「二番手」「癒やし系・頓知」という、
三角の中でも微妙なスタンスに立っていることが何度も強調されます。


 三部は魔法の使われ方や働きの構造、
キャラクターの対比や対立関係で、
ここではいよいよ図式化と図表化が活躍、
あんまりきれいに整理されすぎることにかすかに違和感を覚えながらも、
説得されてしまいます。
ハリーの直線的時間、
ハーマイオニーの日常の円環的時間とか、
トレローニー先生の予言の内実とか、
ヴォルデモートとハリーの対称関係とか、
実にキレのよい分析で、
帯の「寓意」とはやや違う位相で、
物語に密着した整理と分析をしています。
そのうえに付録として、
おそらく著者の専門であろう「宗教学的に見たハリポタ」がついていますが、
これはわずか十ページほどで、
著者も一般的な常識を述べるにとどまっています。


 みごとな分析に充ち満ちた本で、
図表としての整理も割り切り感が強いながら、
説得力があります。
これから「ハリー・ポッター」の話をしよう

その他の感想

カワイイが汚れが目立つ
数ページずつに区切られているので、読みやすい
山の初心者もベテランも学べて、見ても、読んでも楽しめる本です。
現状は良い感じです
ハーゲンダッツも!!
子持ちの格闘系ゲーム初心者用のレビューです
レビューを参考に
軽・薄なれど丈夫そう
作品にムラが…
自分なりの切り口をもって情報収集・分析しようと思いました
よく書いてくれた。絶対読むべき。
武術を尺度として世界を見る。
そのままでいいんだよ(*^◯^*)
数を覚えてほしい娘と算数を理解してほしい息子に
菅原文太
この程度のモノでいいと思います
ショーダウンはDirtじゃない…デストラックションだ!!
やっぱりAnkerだわ、たまらんわ〜!
原作16巻につながる物語/上下巻の「下巻」です
好随筆選となっている。編集者に拍手。
マンションには相性がいいですよ!
持ち運びOKサイズ。
結局、彼の結論のすべてがこの本に有ります。
患者さんを診るのに必要な心構えが記載してあります
前回のものより飲みやすい
ドラマ続き見たいなぁ
秀頼の実像に迫る
家庭用なら、よし。医療用には、不向き
錯綜 友情 恋愛と要素盛りだくさんの最新巻
PSP goを壊しちゃったので、こちらを購入してみました
戻る