中級者の学習用に

大学で国際法の勉強をしているときに購入しました。


レポートを書きまくっていたときに、
５，６冊の教科書を読みましたが、

そのときの経験から本書は初学者が最初に手に取るものではないと
感じました。


本書は、
中級者が、
より知識を深め、
上級者向けの専門書を読む
土台となる知識や考え方をつけるのに最適な教科書だと思います。


二元論とか何とか優位論などの基本的な国際法学的な知識と
考え方を持った人向けの本だと言えます。


なんの知識もない初学者が、
いきなり本書を紐解くと、

まず怒涛のように押し寄せてくる国際法学者の名前や、

横文字やらカタカナ用語の羅列に圧倒されます。


また、
内容的にも標準レベルのものになっているので、

「国際法学的なものの考え方」が出来上がってない時点で本書を読んでも
さっぱり理解できません。


初学者は、
まず簡単な入門書を一冊通読してから、

本書に取り掛かれば、
より深く広く国際法の知識が身につき、

本書のすばらしさが良く分かります。


とはいえ、
あまりに広大な国際法の範囲をこれだけのページ数に抑えているので、

すべてを深く網羅しているとは言えません。

しかし、
一冊で完了していることによる利点ははかり知れず、

国際法の教科書を「一冊だけ」選べと言われたら本書を選ぶことでしょう。


数冊組みの専門書と、
基本レベルの入門書の間に位置する貴重な教科書だと思います。


国際法を本格的に勉強したい方の二冊目の教科書としてお勧めします。