既存のクトゥルー神話関連書と一味違う

　これまで出版されてきたクトゥルー神話関連書は、
クトゥルーや『ネクロノミコン』といった項目について情報の出典が挙げられていればいい方で、
ほとんどは出典を明確にせず、
ただ情報を羅列してまとめたものばかりだった。

　それはそれでまとまっていてよいのだが、
どの作品が出典なのかわからず不便だったのも事実。

　本書では情報の出典を明確にしているため、
逆引き事典のような活用が可能になっているのが類書との最大の違いと言える。


　未訳の小説や論考を出典とする情報も数多く含まれており、
その情報量を考えればお買い得。

　ただ、
まったくの初心者向け入門書とは言い難い。
ある程度クトゥルー神話について知っている人が、
さらに知識を深めるため手にするのに向いているだろう。