いやいやそんなに難しい音楽じゃないです。ハードル上げすぎです（笑）

なんだか先に書かれてる方がかなりハードルを上げておられたので・・（笑）。

ブラッド・メルドーはまだ有名になる前、
コネチカット州の西ハートフォードにあるウィリアム・ホール高校に在籍していました。

同校にはアメリカでも名の知れた音楽教育プログラムがあり、
数多の才能がここで才能を磨き、
音の海へ羽ばたいていきました。

僅かな時を前後してここを巣立っていったのが、
本盤の主人公２人であり、
数曲で楽曲提供しているパトリック・ジンメルリです。


ピアノは和音が出せますし、
調律されている一方、
特殊奏法（内部奏法や特殊なペダリング）でもしない限り音を変えられません。
このため、
ジャズで使われる楽器の中では、
最も西欧音楽（クラシック）との結びつきを無視できない楽器です。
少なくとも現代、
檜舞台で活躍なさっているピアニストは皆、
重度にクラシック教育は受けた上でジャズをやってますので、
先のレビュアーさんの仰ることはその意味では間違っていません。

ただ、
逆にいえば現代のピアニストは、
すべからく高度な音楽理論をそらんじた上で即興をやっているわけで、
本盤だけがことさら難解だとか、
買う前に現代音楽をまず理解する必要があると思われてしまうようだと、
ちょっと可哀想です（そもそも標題はモダン＝近代音楽であって、
現代音楽ではありません）。

彼らが好きで、
その延長で本盤を買おうとしている方は、
普段トリオやスモールコンボの演奏で、
彼らが日常的に繰り出しているスケールアウトやフェイク、
リハーモナイゼーションを通じて（別に身構えずとも）近現代音楽の粋は音として聴き馴染んでいます。
そんな皆さんにとって、
本盤は別段、
難しい音楽ではありませんので、
気にせず購入なさって構いません。


レビュアー氏の書かれた新ウィーン楽派の無調や十二音技法の理解・聴取は明らかに不要。
それなしに聴けないような難解なものでもありません。
むしろ彼らの紡ぎ出す音楽はモード感が強く、
ミヨーやオーリックなどのフランス近現代音楽との共通点がずっと多いです。