自分を探せ！自己啓発のようなファンタジー

前巻でからくも国王の地位を手に入れたベンが、
邪な魔術師ミークスにだまされ翻弄される、
かなり心苦しい展開のエピソード。
ふりかかる苦境（ともすれば絶望してしまいそうなほど困難な）を、
どこか頼りない仲間たちとともに切り開いていく様は、
指輪物語にも似たロールプレイング的展開で楽しい。

自分のアイデンティティであった「王のメダル」を失うことで、
今まで自分の抱いていたものの脆さを認識し、
そこから再度立ち上がるまでの、
これまた自己啓発的なお話は、
ファンタジーというよりも実用書に近い！？
でもお約束の魔法対決、
ドラゴン、
妖精たちもフル出演で、
ハリウッド映画的なスリルも十分。
読後は楽しくて脳が疲労すること必至の一冊。