「へうげもの」の虚像と実像
古田織部は武将であり、
茶人であり、
そして芸術家でもある。

そして『古田織部の正体』と題された本書は、
織部の茶人としての実績と位置付け、
或いは芸術家としての感性を中心に論じている。

依って、
織部の伝記を期待する方にとってはやや不向きであるかもしれないが、
その一方で、
彼の芸術家としての活動に興味がある読者にとっては実に充実した、
貴重な一冊となってくれよう。


さて、
古田織部と言えば「へうげもの」−即ち、
剽軽な物を好んだとされ、
貴重な墨跡を破ったとか、
茶碗をわざと傷付けた等、
そのエピソードには枚挙に暇がない。

然しながら、
実はここには後世の逸話がやや大袈裟に語り継がれてしまった感もあり、
著者曰く、
織部の足跡を辿るのはそれ程単純ではないようだ。

即ち、
信頼出来る史料が極端に少ないのである。

そこで、
限られた史料の中で古田織部を探り、
同時に著者なりの見解を加える事に依って、
古田織部の「実像」なるものを解き明かしていくのが本書であり、
その信頼性と実証性とが際立っていた。


本書で扱っているのは、
古田織部の生き方、
茶人としての指導力、
茶道具に対する美学や創造性、
そして茶の湯の変革である。

先ず、
織部に関して「茶の湯は下手だったが、
他に誰もいなかったから成功しただけ」と言った極めて辛らつな批判もあった事をも敢えて紹介し、
その上で改めて織部の茶人としての功績を紐解いて行く。

また、
茶道具は言う迄もなく、
茶室に対する価値観、
床の間の飾り方の工夫、
更には茶会席の料理に至るまで幅広く考察しており、
正しく「織部の茶の湯の世界」を見事に再現しているのだ。

更には、
織部焼についても、
果たして織部が実際に創作に関ったのか、
或いは自らはプロデューサーのような形で指揮を取っただけなのか等について、
未だに解明されない「謎」であるという現実を突きつけている点も興味深かった。

先にも述べたように、
とかく逸話だけがクローズ・アップされる織部は、
ともすると茶道具まで自分一人で創作していたかのように思いがちである。

然しながら、
本書は「虚像と実像」を冷静に見極めており、
今一度、
古田織部という人物を見直す機会を与えてくれるのである。
古田織部の正体 (角川ソフィア文庫)

その他の感想

安いです。早く到着しました。
久しぶりの再会
パズドラのプラカードが付いてくるお菓子と思えば
同品の白を持っていたので
あんハピ♪ファンにはたまらない♪
素人には最適
只今、撮影中
アメリカ編だけかな〜と思ったら色々入っていた
本人大絶賛です
現時点で最高のテキスト!
”見やすさ” より、情報量を優先されるならオススメ
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