發達障碍、自閉症史的側面も併せ持つ本である

発達障害にはサヴァンの人が多いとか、

誰それという有名人はアスペルガーだとか、

そういう表層的なことを書いてある本ではない。


タイトルが､そう感じさせるのは損をしている。

サヴァンであることから逆照射して､自閉症そのものを考えようという
自閉症史的側面も併せ持つ本である。


重要なことがいくつか書いてある。

・江戸時代にも自閉症者がいた｡しかし、
その時代は自閉症者も包含しうる社会背景だった。

・自閉症者の中核様態は「感覚過敏」や「感覚鈍磨」なのではないか。
それらが逆に
　「限局的なこだわり」や「社会性の欠如」を生んでいるのではないか。

・現在のIQテストは､自閉症者の示す特徴的な知能を説明するものでは決して無い。

・全体の統制柄離れた局在的な脳機能が亢進して､その結果サヴァンの能力が発揮されるのではないか。

・カナータイプに見られる〈レビュワーはアスペルガータイプも同様だと思うが）かたくなさや
　情緒の未熟さは､2歳前後に起きた､触覚防衛や､聴覚処理の乱れが原因ではないか
　（レビュワー補足　つまり、
気づかずにそれにさらしてしまった故に自閉症様態が学習されてしまった
　　ということである）