攪乱されそうだったのでノートをとりました。

１００頁程読んだ時点だったでしょうか、
この語りは尋常ではないと思い、
登場人物や各人の活動を自分なりにノートに筆記しながら読むことにしました。
Ｂ５版のノートで納まるかと思っていたのですが、
右頁にまでメモが及んでしまいました。
誰が語っているのでしょうか。
この語りは何時のことなのでしょうか。
誰が中心人物なのでしょうか。
複雑な構成を解き明かすことを読者に課する、
読み手としてはわくわくするするような語りと構成です。
さらに、
登場人物たちの生き方や拘りや悲哀に関する表現も、
醜い所も表現していながら、
素晴らしいと思いました。
『ドンキホーテ』は、
エピソードの挿入と、
現実と虚構の混交によって成立しているのに対して、
この物語は、
語るべきことに対して真っ直ぐに挑んだ成果なのだろうと思います。
さらに、
この国の歴史的・文化的・経済的等の混迷が想像されます。