原発事故後に必要な基礎知識、とても分かりやすい

東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染は、
原発推進、
反対にかかわらず、
これから長期間（数十年以上）、
日本と世界が対処しなければいけない事態です。
そのためには、
まず学ぶことです。
本書は、
放射性物質とはなにか、
他の汚染物質と何が違うのか、
放射線を測定することの意味と難しさの理由などについて、
分かりやすく、
ていねいに解説しています。
大人も子どもも持っておくべき基礎知識です。

まずは、
食に携わる農林水産業、
食品加工業、
外食産業、
栄養士や調理士の方に、
当然の知識として身につけて欲しいです。
自治体関係者、
土木、
建設などに関わる方、
学校の教員など教育関係者もぜひ読んでください。
あ、
私を含め、
市民測定室や放射線測定を行って情報発信している人たちにも参考になります。
もちろん、
これまで中学校高校の物理化学を避けてきた方でも、
「読める」わかりやすさです。

著者の小豆川氏は、
自ら放射線測定の研究者として日々、
各地の測定と研究成果の発表をするとともに、
市民測定室、
食品や土壌の測定などに関心を持つ人、
自治体、
小中学校、
そして、
大学生に対する講義や勉強会を積極的に開き、
参加されています。
一度、
勉強会に参加しましたが、
どんな質問にもきちんと研究者としての立場を表明しながら、
意見を述べられておりました。
今、
もっとも必要とされる科学的な視点からの市民とのコミュニケーションだと思います。
その実践と経験が、
本書のわかりやすさにつながっていると思います。