地歌三曲を次の世代まで

地歌・箏曲の曲を大系的に収めた作品では、
ＣＤで聴ける唯一の作品。

第一部を狭義の地歌・箏曲、
第二部を手事物、
第三部を山田流と三部に分け、
各ＣＤ２０枚ずつ、
計６０枚で構成されている。
中には希曲も含まれており、
特に第一部に収録されている曲は、
現在市販されているＣＤにはなかなか収録されないものが多数あり、
演奏会などでほとんど聴く機会が無いものもある。

収録曲はリマスタリングしてあるようだが、
過去ビクターによって録音された様々な音源から収録されているので、
録音状態にばらつきがあり、
全て録音状態が良いとは言えない。
しかし、
演奏は名人と言われる人達によるものなので、
大変素晴らしい。
また、
演奏者の流派や会派が様々なので、
それぞれの趣の違いを楽しむことができる。

付録としてついてくる平野健次氏による収録曲の詳細な解説書は、
現在書店では地歌・箏曲の詳しい資料を手に入れにくいので、
かなり重宝する。

値段が非常に高いのでなかなか手は出せないかもしれないが、
地歌・箏曲をよく聴いて研究したい人であれば買って損はないと思う。