読んでるだけで元気が出てくる良書

このお二人がいれば、
日本の坐禅はまだまだ大丈夫！そう思えた。

お二人の坐禅への誠実で謙虚な気持ちが読んでて伝わってくる。


そして、
読んでて肩が凝らないのが本書のいいところでもある。
仏教に特有の暗さがない。

不思議と読んでるだけで、
気持ちが明るくなる。


特に収穫だったのが、
立禅についての記事。
坐禅だけでは、
下手をすると雑念に埋もれて三昧まで行くのに無駄に時間がかかってしまうところを、
立禅を利用することで、
坐禅の進歩が速くなるらしい。
普段の坐禅に立禅もぜひ取り入れようと思った次第だ。


そして何より、
玄侑式坐禅のやり方の説明が大変すばらしかった。
玄侑 宗久の禅定の深さがうかがい知れる。
彼は、
理論だけの頭でっかちの禅僧ではなく、
本物の禅定に入れる禅定力のある禅僧なのだと思う。
でなければ、
このような体験を語ることもできないだろう。

P40に「意識を何か一点に集めて坐っていると、
やがてからだの一点にあった意識が、
一点にありながら全身にゆきわたっていくような感覚を覚えるはずである。
そこからが坐禅なのだと思う」とあるが、
こういうことを言える禅僧は、
残念ながら、
いるようであまりいないと思う。


初心者はもちろん、
坐禅の実践者でも読んで損はないし、
健康面で不安のある人、
もっと元気が欲しいと思う人も、
本書を読むと得るものがあるだろう。
最近の坐禅の本の中では、
数少ない良書のうちの一冊と言っていいのではなかろうか。