ハッカー同士の戦いをRPGで表現した意欲作

プレイする前は所詮キャラゲーと侮っていましたが、
実際プレイしてみるとなかなかどうして、

創意工夫を凝らした意欲作だったりします。


ゲームの主な流れは、
毎日学園生活と迷宮探索を繰り返しながら自キャラを成長させ、
規定の日数が経過すると
トーナメントの対戦相手との決戦（要はボス戦）に移行するというもの。
要はペルソナ3・4と同様の形式です。

これが、
厳格なルールの定められたサバイバルゲームという設定と上手くマッチしており、
限られた日数をいかに
有効利用していくか、
常に適度の緊張感を持ちながらプレイしていくことになります。
また、
対戦相手が妨害してきたり、

逆に相手の正体を探ったりといった、
サバイバルゲームならではの駆け引きのイベントも頻繁に発生し、
展開がだらける
ということがありません。


敵についての情報が多ければ多いほど有利になるという戦闘システムも、
ハッカー同士の情報戦という設定を上手く
ゲームシステムに落とし込んだものだと言えます。
御存知の通り（？）、
Fateの世界では「サーバント」という使い魔が
プレイヤー（マスター）の代理人として戦闘を行うのですが、
彼らは世界史上の有名人たちがモチーフとなっており、

その正体はマスター以外には伏せられているので、
システム的にもシナリオ的にも相手のサーバントに関する情報を集めるのが
重要になってきます。
相手の行動や言動からヒントを探し出してサーバントの正体を推理するのは、
本作ならではの楽しさだと
いえます。


逆に欠点はというと、
シナリオと強制イベント中心にゲームが進行するので、
ダンジョンRPGならではの自由度に乏しいこと
でしょうか。
元がビジュアルノベルということもあって、
ややADV寄りのシステムです。
「ハマリや一発死にが発生するので
セーブデータの複数作成を推奨」と説明書に堂々と書かれているのは御愛嬌。

他の「Fate」シリーズやTYPE-MOON作品とのつながりは有って無いようなものなので、
本作独特の世界観やキャラが気に入ったなら
間違いなく誰でも楽しめるでしょう。