姿勢を正すことの重要性

　本書は「アゴを引けば体が変わる」というタイトルですが、
アゴのことばかり書いているわけではなく、
(a) 体全体の姿勢、
(b) 「豊かな呼吸」と「貧しい呼吸」、
(c) 頸の痛み、
(d) 足と靴、
(e) 椅子に座る座り方、
(f) 体の痛みの原因と対処法などなど体全体について記述しています。

　この本では、
現在の日本人がいかに体に悪い姿勢で立ったり、
歩いたり、
座ったりしているかを、
体の筋肉や骨格や神経との関係を記述しながら、
解説しています。
そして、
あるべき姿を説くとともに、
ストレッチなどのトレーニング方法について多面的に解説しています。


　本書には、
多くのイラストが用いられ、
体の構造やストレッチの方法がよくわかる形で掲載されています。
（これらのイラストは、
ポイントをしっかり踏まえて描かれているので、
写真よりかえってわかりやすいと思います。
）
　ていねいに手間をかけて作った本という感じがします。


　私はこれまでも、
トレーニングの本を何冊も読み、
ウォーキングや軽いストレッチや筋力トレーニングは行ってきましたので、
全く無自覚に日々を過ごしてきたわけではありませんが、
本書を読んでさまざまな気づきがありました。

　考えてみれば、
私はこれまでは体全体のバランスや姿勢について無自覚なまま過ごしており、
日々の姿勢や椅子の座り方、
体の使い方などについて無頓着であったと思います。
そんな人は、
私以外にも多くいると推測され、
広く読まれるべき本と思います。


　本書は、
トレーニングを行うことも重要ですが、
あわせて日々の何気ない動作・姿勢を正しく保って生きることも、
とても重要であることが理解できる本です。
そして、
そのためのストレッチの方法や姿勢の保ち方など具体的な対処方法もわかる本です。

　丁寧に書かれた本であり、
生活の日々の動作を見直すきっかけになる本ですので、
一読し実行する価値のある本と思います。