ボーカルの死を乗り越えて発表された新生の4作目

デスコアバンドSUICIDE SILENCEの4作目。

3枚のアルバムを発表しデスコアバンドとしてさらに名を馳せていく中、
2012年にカリスマフロントマンMitchがバイク事故による突然の逝去。

そこからバンドは沈黙していたが、
Mitchと親交のあった元All shall perishのEddieが新ボーカルとして加入、
2014年に4作目にあたる本アルバム『YOU CAN’T STOP ME』を発表して完全復活した。


他の方々も書いているように前作『THE BLACK CROWN』のグルーヴィーな曲調と音作りを引き継ぎ、
前2作の荒々しく爆走するような楽曲もいい具合に織り交ぜた作風となっている。

新規加入したEddieもすごいバンドに居ただけに実力は折り紙付きで批判を覚悟で言えば、
歌唱力においてはMitchより上だと思う。
ライブでの安定感は特に差が顕著だ。
ルックスでの差は逆転するが（失礼・・・）
声が変わった故のちぐはぐさはなく、
Eddieのいい仕事っぷりや前作のやや曲調の幅が広がった作風も相まってベテランの貫禄を見せつける非常に完成度の高いアルバムであるのは間違いない。


しかし、
デスコアに限らず歌は上手ければいいというものではない。
その人物にしか出せない味は確実にあるしパフォーマンスもそれぞれだ。

そう考えると、
このバンドは新しい『声』を得て生まれ変わったのかもしれない。
素晴らしいボーカルだったMitchはもう居ないが、
バンドは少し形を変えてこれからも生き続けるのだ。
正直、
不安ではあったが聴き終わると自分はこれからも応援し続けようと感じていた。


また初回限定盤はHATEBREEDのカヴァーを含むボーナストラック2曲追加とアルバムレコーディング、
ツアードキュメント、
フォトギャラリーを収録したDVD付きだ。

ツアードキュメントではEddieが既にバンドに馴染んでいてほっとしたし、
レコーディング風景ではメンバー全員で曲作りに試行錯誤しているシーンが同じバンドマンとしてなんだか親近感がわいた(笑)
2時間越えでやや長いが、
ファンならなかなか興味深く、
よりバンドを好きになるであろう内容なのでぜひ初回盤をおすすめする。