期待される人間像？

裕次郎が高度成長期の快男児を演じる、
コメディタッチの作品です。


当時を知る皆さんには懐かしくもあれ、

今から当時を知りたい、
という若い観客には「オレ様映画」と敬遠されるかもしれません。

でも、
当時ですらこんな新入社員の活躍は夢であったこと、

そしてその夢を体現できる不世出の男こそ裕次郎だったことを知れば、

このファンタジー・コメディを色眼鏡でなく楽しめるのではないかと思うのです。


天下取りを目指す裕次郎の参謀役に、
思い切りコミカルな演技を見せる長門裕之。

そして裕次郎の「淀君」の地位を狙うOLに北原三枝。

同じく彼にぞっこんの銀座のホステスを中原早苗が演じます。


ことの真偽は別として、
この作品はシリーズ化を見込んだように思われる筋書きであり、

ちょっとラストが物足りなかった印象は受けました。

プログラム映画シリーズの安定路線には、
裕次郎の個性は大きすぎたようです。