読み物としてはおもしろかった

経済的に困っているわけでもなく、
その気になれば玉の輿にのってスノッブな生活を満喫することも、
専門職になって知的快楽を探求していくことも、
その他色々な生き方を選択できる、
大抵の人がうらやむような容姿と能力があるのに、
なぜAV？と下世話な興味で読んでみました。
自分にも性欲はあるしAVを見たことはあるし、
どの業界であれ頑張る人は立派だと思いますが、
普通に考えれば、
AVに出ると、
経済的、
社会的にはトータルでつらい人生になる確率が高いと思うからです。
特に慶應に入って東大の院に行って日経に入社できるくらいの人にとっては、
あえてそんな選択しなくても・・。
今の世の中、
ばれないほうが不思議だし、
セックスを楽しみたいならわざわざAVに出なくても可能だし、
むしろAVに出ずに、
ビジネス界のタフで有能な男を渡り歩いた方がエロくていいセックスができるのではないかと。


自分にはなじみのない夜のオネエサンの世界を垣間見れて、
読み物としては単純におもしろかったですが、
知的な刺激は得られなかったです。
結局、
なぜこれだけのスペックの人がわざわざこんな仕事をするのか、
さえないホストに大枚つぎ込んで何が楽しいのか、
全く理解できませんでした。
個人的にはキャバクラも全く面白いと思わない、
家族でお茶を飲む平凡な休日にこの上ない幸せを感じるようなオヤジの私にとっては、
浮き沈みの激しいハイテンションな夜の生活を営む人たちは、
一種のアディクションに陥っているように思われます。
きっと、
脳内のホルモンの出方が違うのではないかと。
キャバクラ、
風俗、
AV業界、
ホスト業界と、
閉じたサークルの中でホレタハレタを繰り返しながら、
お金がぐるぐる循環している様子は伝わってきました。


まあ、
大手新聞社で記者クラブの大本営発表を記事にするだけの日々を続けても、
それはそれで面白くなさそうですけど。


今の世の中、
女の子はちょっとかわいくておっぱいが大きいだけで、
脇道へ引きずり込もうとする輩がうようよ寄ってきて大変なのでしょう。
とはいえ、
わざわざ脇の甘い痛々しい生き方を選択してきた著者を理解はできませんでしたが、
きっと性根はかわいい人なのでしょう。
もっと計算高く生きることもできたでしょうに。
なんというか、
頑張っていただきたいです。