人前で話すための教科書

大学の准教授を5年ほどしており、
講義や外部での講演をかなりこなしています。
しかし、
この本には多くのことを気づかされました。
たしかに面接対策のようなことも書いてあるので一般的な読者も読む価値大ですが、
やはり人前で話すことを職業にしている経営者、
教員，プレゼンをする専門職やサラリーマンの皆さんは是非手元に置いて、
この本が教えてくれる技術を身につけるべきかと思います。


誤解を恐れずに言えば，この本はわかりやすい「表現」を教えるものではなく（著者の他の本に書いてあるのだと推察します）、
信頼感を与える話をするための「姿勢」と「技術」を教えるものです。
欧米圏での教育でPublic Speechのクラスで教わる内容に近く、
私も昔受けた授業を思い出しました。
腕組みをするな（自信が無いように見える）、
アイコンタクトはZに切れとか書いてあった当時の教科書よりも、
この本の方が内容が包括的で、
また好感の持てる書き方でした。


技術のひとつひとつの詳細をここで挙げることは出来ませんが、
間の取り方，アイコンタクトやまばたきのしかた，ジェスチャーの大きさや位置、
また話す速度や一分の長さ、
タイトル付けなどが実践的に書かれています。
これまで自分の経験からも似たようなことをいくつか実践してきましたが，たしかに効果は大きいものでした。
たとえば自己流で何秒も間を取った話し方をしてきましたが、
だいぶ場の空気を支配できるようになりました。
本書の方式をより全面的に取り入れて、
人前で話して行ければと思います。