今回も面白く考えさせるなあ！！

　例のコンビの待たれていた三作目。
今回も例を挙げつつ、
既成観念に囚われない観点を面白おかしく提示する。
日本の早食いチャンピオンを例に挙げてその着眼点の斬新さを褒めたり（なるほど）、
ドイツのカソリックとプロテスタント地区の比較の例も面白いなあ。
黒人の心臓病の発症率の仮説（？）は歴史的にも医学的・社会的にも更に興味深い。

　最近の数十年間で米国の成人は２５ポンド体重が増加した！原因はとの問いに、
やれ炭水化物だの、
コーンシロップ、
やれ飽和脂肪酸だのというありきたりの安っぽい悪玉論などとは本書は無縁で、
ここが立派。
彼らの答えは「食べ物が安くなった」！！これは本質をついているし、
勿論それが全部でないので、
実に考えさせる。
その他にも、
インドでコブラ退治のために報奨金を出したらの実例とかも笑わせるが、
成る程と示唆に富む。
　前二作と比べると少し内容が少なくなった感はあるものの、
固まった頭を揺り動かす話や指摘がちりばめられているので５つ星。
最後のチャーチルのオチも歴史好きには味わい深い。
まあ、
どっかでここぞの時だけ頑張ればよし。
後は負けていてもよし、
と安心した（誤解か？）。