神話が持つ力に心が喚起されるデッキ

鏡リュウジさん監修の神話タロットです。
かつでMythic tarotとして販売されていたものに、
解説本とセットしています。

カードの耐久性は低め。
そのうち反ってしまいそうです。
裏面は正逆が分からないタイプ。
絵柄は好みではなかったのですが、
使っていくうちになんだか愛着が湧いてきました；
私だけかもしれませんが、
カードがバラバラの順で入ってたので全カードがちゃんと入っているか不安になりました。


このデッキの特徴は、
ギリシャ神話とタロットを融合させている点です。
このカードがどの神話の場面なのかを思い出せば、
カードの意味を丸暗記しなくても良い、
という利点があります。
また神話の持つ元型的イメージが読み手の深層心理を刺激して、
より深い読みが出来るのが狙いのようです。
全て正位置で読むよう推奨しているのは、
好みの分かれる点だな、
と思いました。


個人的に気に入ったのは、
小アルカナの4つのストーリーです。
神話の話と小アルカナが見事にマッチしているので、
小アルカナが苦手という人にお勧めです。
例えばカップのカードは、
プシュケとエロスが結ばれる過程を描いているので絵を見ながらこれは神話の中のあのシーンだな、
と想起しながら解釈できるのが良いです。


解説本は、
翻訳ならではの硬さはあるけれど、
読みやすかったです。
いい翻訳をされていると思いました。
大アルカナは、
神話の説明と心理学的解釈、
具体的解釈の3本立てで解説してあり、
小アルカナは神話の説明と具体的解釈のみです。
また最後にカードリーディングの実例も出ていました。


壮大で激しい展開が多いギリシャ神話を、
現代の私たちの時代の言葉に落とすことが出来るかどうか、
それによってこのデッキの評価は分かれると思います。
とはいえ名作なのは間違いないので、
タロット好きな人は是非手にされると良いと思います。