タイトルは少し大げさですが、こういう世の中において働くときに知っておいて損のないことかもしれません

夕刊に連載されてきたコーナーを一冊にまとめたもの。
雇用現場のトラブルに関する相談とその回答を、
「パワハラ上司、
セクハラ上司」「職場環境」「休暇、
ノルマ」「有期雇用、
派遣」「リストラ、
解雇」「賃金」「会社の掟、
ルール、
規則」「病気、
心の病、
女性、
妊娠、
出産、
国籍」「労働組合」という9つの章に分類して掲載している。
相談に応じているのは、
労働問題を労働者側で扱っている17名の弁護士である。


いろいろな相談が載っているが、
みなし労働や非正規雇用といった近年の雇用形態や雇用契約の多様化が、
労使関係の複雑さをもたらしたりグレーゾーンを生み出し、
それがときに会社側に有利に運用されている実態があることを強く感じる。
「請負契約」であることを利用して最低賃金以下で働かせたり、
該当する法律に罰則規定が無いことを見透かして意図的に法律違反を犯している例もある。
また、
もしかしたら現場の管理者もそれが法律違反の疑いがあるとは知らずに言ったりやっているケースもありそうだ。
職場での私用メールとか、
SNSの書き込みが問題になったケースとか、
身だしなみの許容範囲とか、
英語社内公用語の強要とか、
心の病をめぐる問題といったことも盛り込まれている。


「会社で起きていることの7割は法律違反」というタイトルや「あなたは勝てる！」というのはちょっと大げさな気がするが、
知らなかったことは結構あった。
巻末には「困ったときのための労働相談窓口」が一覧でまとめられている。