変ですよ、このマンガ（笑）でも？だから？好きです

普段からマンガ専門店に足繁く通うタイプではないので、
久々に行くと平積みにされた漫画本の洪水に目がチカチカしてしまうのだが、
このコミックの九龍城塞の中に、
ひときわ目を惹く不思議なオーラを放つ表紙画に出逢うことがたまにある。

はなぢを出している美少女キャラが、
鼻にティッシュを突っ込んで微笑んでいる・・・しかも「変身のニュース」という全く意味不明のタイトル（笑）。

これは変なマンガに違いない。

変なものについつい反応してしまう筆者のアンテナが振れてしまった。
もうひとつ、
背景の街の風景を描いたペンタッチが味わい深いのもあった。


で・・・中身を読んでみたら、
思っていた以上に変だった（笑）。

内容は、
短篇集です。
全部で９話。
ほとんどの作品は少年や少女、
若者が主人公。
で、
ちょっとシュールな世界観の話が多い。
最初の２篇はホントに飛んでいるというのかとぼけているというのか、
呆気にとられてしまう。
オフビートというと、
スタイリッシュな印象を受けてしまうかもしれないが、
作者の宮崎夏次系氏はオチを器用に決めようとせずに、
不思議な外し方をしてくる。

第一話「赤星くん」は、
天才少年の初恋の話なのだが、
全く予想できないラストに頭真っ白（笑）。
このラストのインパクトが本当にでかい。
で、
「きらいじゃないな、
こういうシュールな作風・・・」と思って読み進めて行ったら、
第四話「ダンくんの心配」でちょっとじ〜んとしてしまった。

事故で亡くなってしまった彼氏から、
年に１回送られてくる発泡スチロール製の、
彼の身体のパーツ。
６年目の夏に、
最後に送られてきたのは頭でなく花束だった。
彼が二度と戻らないことを今更ながら実感した彼女（不思議ちゃん系）がとった行動は・・・ちょっと感動的なクライマックスの後に、
脱力しそうになってしまう彼女の最後のセリフが・・・ゼンゼン決まってなくてすごくいい（笑）。
この絶妙な外し方は何なんだろうか。
ここに至って、
「きらいじゃないかも」と感じていたのが「好きかも」に変わって、
後半に行くにつれ「このマンガ、
好きだ！」になってしまった。