借金整理の実務書に見えて、実は癒しの本である

この本には、
具体例を挙げてのケーススタディも交え、
事細かに借金整理の方法を記してある。
その意味では、
この著者と企業再生屋の八木氏が、
アスキーコミュニケーションから刊行した前作「借りた金は返すな」と似た構造といえるだろう。

しかし、
本書を読み進むうち、
両者の違いが明らかになってくる。
「借りた金は返すな」は、
単なる実用書の域を出るものではなかったが、
この本は、
明らかに「癒しのための本」としての性格を帯びているのだ。

著者は作中で、
繰り返し「借金なんかは大したことではない」と説く。
借金なんかで自殺するなんて、
愚の骨頂である、
と。
まず、
「借金鬱」から抜け出そう。
すべてはそれからだと著者は力説する。

その意味で、
私はこの本を、
癒しの書物として読んだ。
大きな塊??金を抱えて苦しんでいる人は、
本書を読了後、
明るい気分になって人生を再出発することができるだろう。
価値のある本だと思った。