君に届け リマスター版 10 (マーガレットコミックスDIGITAL) の感想

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参照データ

タイトル君に届け リマスター版 10 (マーガレットコミックスDIGITAL)
発売日2012-08-24
製作者椎名 軽穂
販売元集英社
JANコード登録されていません
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » コミック

購入者の感想

恋愛系少女漫画には独特のルールがあり、それはかなり妄想的な女性の願望がベースにあって、
男性には理解しがたい心情の変化や展開が畳み掛けてくるわけなんですが、
「君に届け」はそれが全く不快ではない稀有な作品です。
 
何がそう感じさせるのかというと、それは爽子や風早やくるみの「好き」の気持ちがとても納得できるからなんだと思います。
浮いてる女子xモテ男子の組み合わせはありふれているのですが、
それらを見ると、モテ男子→主人公への気持ちが無理やりなものが多いです。
まとわりつかれてるうちにいい部分が見えてきて知らないうちに好きになっていた、というような。

風早はそうじゃないんですよね。どっちかというと、爽子より先に相手の魅力に気づいて追いかけていて、
持って生まれた素質や無意識で爽子に優しくしていたわけではなくて、近づきたいという意思が先にあるんです。
そして、モテ男の風早がなぜ爽子に惹かれるのを心から納得できるだけの魅力を爽子は持っています。
 
それらに加えて、冒頭にある告白シーンが神がかっていて、
「すきなの」という言葉一つで爽子の感情が全て理解できるような錯覚に陥ります。
曖昧な下絵のような線が、逆に言葉の強さを引き立たせていて、魅せ方が非常に上手いと感じました。
 
この先、純愛系の漫画をいくら読んでもこれと比べてしまい、大きな感動を得られなくなるかもしれません。
それくらいの金字塔です。

読むだけで悶絶するほどキュンキュンして、にやけてしまいます。
少女漫画はふだんあまり読まないし、すぐ飽きてしまうことが多いので今まで借りて読んでいましたが、
これは、10巻を読んだ時点で「傑作」に決定したので、すべて大人買いしました。

10巻の展開は私たち読者が待ちに待った展開です。

たくさんの期待をしょったシーンは、描くのがとても難しいことだと思います。
その出来の如何では、今までの良かった展開が、台無しになってしまうから。
変に都合よく終わらせてもいけないし、間延びしてもいけないし・・・。

でもこの「君に届け」の展開は、なんとなくそうだろうと想像できることであっても、
心から良かったと思えるものでした。
何度も、何度も、幸せな気分を味わいたくて、そのシーンを読んでしまいます。

はあ縲怐@っと、幸福のため息をついたあとは、
また1巻をごそごそと出して読んだり。

何度読んでも飽きないマンガです。

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