日本語教室 (新潮新書) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル日本語教室 (新潮新書)
発売日販売日未定
製作者井上 ひさし
販売元新潮社
JANコード9784106104107
カテゴリ人文・思想 » 言語学 » 日本語・国語学 » 日本語研究

購入者の感想

母校の上智大学で行われた講演をまとめたもの。話し言葉なのですらすら読め、井上氏の話術も楽しめる。
講演では、文章と違ってつい脱線したり脇道にそれたりすることがあり、そこに面白さもあるのだが、それが社会事象に関することになると、「そーかなー」と思わなくもない箇所があった。それを割り引いても面白くてためになる本ではある。
本論のなかで、興味深かったのはつぎのようなところ。
・第二次大戦中、スペインは中立国だったのに、なぜ国連公用語にスペイン語が入っているか。
・同じ「畑」なのに、「茶畑」(ちゃばたけ)は濁るのに、「田畑」(たはた)が濁らないのはなぜか。
・斎藤茂吉の「最上川逆白波のたつまでに〜」という歌はどういう点が素晴らしいのか。
・「象は鼻が長い」というときの主語は「象は」か「鼻が」か(大野晋理論の紹介)。
・日本人は本当に苦しいときは、「いー」と言わずに「うー」と言う。なぜか。
以上、わかりますか?
脇道にそれた話でいちばん面白かったのは、「ソ連のマッチは出来が悪くて、ソ連最大のマッチ工場が全焼したとき、焼け残ったのはマッチだけだった」というロシア・ジョーク。
本書の巻末には「著書・単行本目録」が掲載されているんだけど、そこに代表作の一つ『吉里吉里人』が入っていない。なせだろう。うーん。
この本で関心をもった方は、『私家版・日本語文法』『ことばを読む』『私家版・文章読本』などをどうぞ。「日本語の勉強」としては、これらの本のほうがおすすめです。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

日本語教室 (新潮新書)

アマゾンで購入する
新潮社から発売された井上 ひさしの日本語教室 (新潮新書)(JAN:9784106104107)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.