日本語の特質 (NHKブックス) の感想

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　論文や書籍だけでなく、TVや雑誌等数々のメディアを通して多くの人々に日本語への興味と理解をうながしたことが、2004年に亡くなった著者の最大の業績の業績とも言える。本書はTVの視聴者向けに書かれたものであり、万人に親しみやすい語り口で日本語や漢字への興味をかきたててくれる。四半世紀も前に書かれたものだが、本書中の「漢字の性格」が現在も高校の国語の教科書に掲載されており、言語学や国語の入門に最適な教材である。

　NHK教育テレビ「NHK大学講座」で、同名の内容で放送されたものを本にしたもの。読み始めると、これがおもしろくてしょうがない。日本語をほかの外国語、あるいは日本文化と諸外国の文化とを比較しつつ、日本語がいかに特異な言語であるかということをわかりやすく述べている。語りもソフトで気軽に読める。「日本語ってすごいんだなぁ」と感心することしきりであった。
　日本語を見直すきっかけとして多くの人に読んでもらいたい本。国語の副読本として用いれば、授業が楽しくなりそう。文句なく、星5つ。