１秒もムダに生きない　時間の上手な使い方 (光文社新書 525) の感想

ムダを無くしたいと思う方がこの本を手に取るはず。予想するのは経験を延べながらムダ排除のためのテクニックを披露するというもの。だが、実際はそうでははない。

テクニックを示すというよりも個性的な生き方を提示された感じだ。
その個性を感じた箇所を自己流に簡略化して羅列すると、マニュアルは読まない、スイッチが入ったときは睡眠を削るほうが効率があがる、仕事はできないふりをしたほうがいいときもある、空気も読めないふりをしたほうが好ましい結果になる、講演では知ってることの一部だけを話すほうが結果がいい等々・・

読み終えると、ムダ排除のテクニック･アイデアよりもこの著者の考え方（生き方）のほうが頭に残った。

著者は多忙な本務以外に年間4、5冊の書籍をコンスタントに書いておられるとのことでしたので、時間をいかにすれば無駄なく上手に使えるかとの、スーパーノウハウ本と想像して購入しました。が・・、残念ながら、著者の日常の雑感を思いつくままに、極度に性急なペースで書きなぐったものでした。学生講義の息抜きにこの内の2、3題をお話しされるのでしたら、眠気覚ましに有効で、学生も喜ぶと思います。たとえ廉価本といえども、読者は期待して購入するのですから、もう少し時間をかけて、入念に校正、編集しておられればと感じました。他の方も指摘しておられますが、過度に断定的な文が多く、第三者にも当てはまるのか不安になります。