3秒で心電図を読む本 の感想
参照データ
タイトル | 3秒で心電図を読む本 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 山下 武志 |
販売元 | メディカルサイエンス社 |
JANコード | 9784903843070 |
カテゴリ | 医学・薬学・看護学・歯科学 » 臨床内科 » 循環器 » 心電図・心音図・心エコー |
購入者の感想
私はマイナー科で15年目ですが、心電図の本を購入しては挫折・・の繰り返しでした。
まずたいていの本が生理学的メカニズムから入る。それも大事でしょうが、あとから図示される心電図の例を見る頃には忘れてしまっている。前のページに戻るのが煩わしくて挫折。
それから、疾患の緊急性というか、重みづけがよくわからない順番で心電図が紹介されていることが多くて、なんだか頭がごちゃごちゃして沈没。
そんなことの繰り返しでした。
そもそもマイナー科からすると、極論すればすぐに対応しなくてはならないIHDや危険な不整脈かどうかがわかればいいので、心肥大とか心筋症とかMobiz型なんとかとか、もうその辺は「専門家にお任せします」というのが正直なところです。
その辺、本書はすぱっと「ここがポイントで、ここが危険信号(あとはまあ様子見)」と割り切っています。
非常に安心感と自信をもらった本ですが、逆にいうと循環器専門医からすれば異論の多い本でしょうね。
ただ、あまりはっきりとは書いていませんが、実は「検査も大事だけど、臨床症状はもっと大事だからね」というのが裏テーマな本でもあります。そういうスタンス好きです。
まずたいていの本が生理学的メカニズムから入る。それも大事でしょうが、あとから図示される心電図の例を見る頃には忘れてしまっている。前のページに戻るのが煩わしくて挫折。
それから、疾患の緊急性というか、重みづけがよくわからない順番で心電図が紹介されていることが多くて、なんだか頭がごちゃごちゃして沈没。
そんなことの繰り返しでした。
そもそもマイナー科からすると、極論すればすぐに対応しなくてはならないIHDや危険な不整脈かどうかがわかればいいので、心肥大とか心筋症とかMobiz型なんとかとか、もうその辺は「専門家にお任せします」というのが正直なところです。
その辺、本書はすぱっと「ここがポイントで、ここが危険信号(あとはまあ様子見)」と割り切っています。
非常に安心感と自信をもらった本ですが、逆にいうと循環器専門医からすれば異論の多い本でしょうね。
ただ、あまりはっきりとは書いていませんが、実は「検査も大事だけど、臨床症状はもっと大事だからね」というのが裏テーマな本でもあります。そういうスタンス好きです。
僕は某マイナー科11年目の医師ですが、心電図は苦手でした。
確かに、学生の時に心電図の原理を習ったし、循環器内科を回った時に色々教えてもらったし、当然教科書も読んだのですが、やはりとっつきにくいと言うのが正直なところでした。更に、マイナー科に進んだこともあり、さらに疎遠になり今に至っています。
では、どこがとっつきにくかったかと振り返ってみると、1)まず見るポイントが多すぎて、どこから見ればいいのか分からないということ。また、2)AST変化については、症状のない人でも、各誘導で上昇や下降にも見えて、有意な所見と言い切れなかったこと。最後に、3)これは正常心電図と言い切れる自信がないこと、などがあった。
この本では、これらのとっつきにくい点を挙げて、進めている。
1)について、表題には「3秒」とあるが、実際に読んでみると「3点」に絞って視線を動かすということである。だから、今までの教科書のように注目するポイントが多すぎるように感じないのである。当然、この3点を確実に見られれば、「3秒」でも読めるのかもしれない。
2)について、症状のない人のST変化・T波は読まない、という発想も良い。これには、検査の意味合い・限界などを考慮してのことだが、その辺の説明についてもうなずけるものであった。
3)について、正常心電図とは何か、というきわめて単純なことが、実にすっきり書かれていた。
もちろん、循環器内科の医師にとっては無用な本かもしれないが、それ以外の診療科の医師で心電図にはちょっと自信がない、という医師には福音となる著書と思う。
文章も読みやすく、1日で読むことができた。実際に、僕は当直中に読んでいたのだが、その日の患者さんの心電図を自信を持って正常と言えたのは、この本のおかげかも知れない。
確かに、学生の時に心電図の原理を習ったし、循環器内科を回った時に色々教えてもらったし、当然教科書も読んだのですが、やはりとっつきにくいと言うのが正直なところでした。更に、マイナー科に進んだこともあり、さらに疎遠になり今に至っています。
では、どこがとっつきにくかったかと振り返ってみると、1)まず見るポイントが多すぎて、どこから見ればいいのか分からないということ。また、2)AST変化については、症状のない人でも、各誘導で上昇や下降にも見えて、有意な所見と言い切れなかったこと。最後に、3)これは正常心電図と言い切れる自信がないこと、などがあった。
この本では、これらのとっつきにくい点を挙げて、進めている。
1)について、表題には「3秒」とあるが、実際に読んでみると「3点」に絞って視線を動かすということである。だから、今までの教科書のように注目するポイントが多すぎるように感じないのである。当然、この3点を確実に見られれば、「3秒」でも読めるのかもしれない。
2)について、症状のない人のST変化・T波は読まない、という発想も良い。これには、検査の意味合い・限界などを考慮してのことだが、その辺の説明についてもうなずけるものであった。
3)について、正常心電図とは何か、というきわめて単純なことが、実にすっきり書かれていた。
もちろん、循環器内科の医師にとっては無用な本かもしれないが、それ以外の診療科の医師で心電図にはちょっと自信がない、という医師には福音となる著書と思う。
文章も読みやすく、1日で読むことができた。実際に、僕は当直中に読んでいたのだが、その日の患者さんの心電図を自信を持って正常と言えたのは、この本のおかげかも知れない。