物語日本史(中) (講談社学術文庫 349) の感想
参照データ
タイトル | 物語日本史(中) (講談社学術文庫 349) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 平泉 澄 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784061583498 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » 歴史・地理 |
購入者の感想
上巻が宮廷における天皇と公家の内容なら、この中巻の内容は武士です。 全体的には様々な問題点などもあげられていて、よいです。 しかし、足利家をあんなに悪人に描かなくてもいいのではないか、とは思います。大楠公を讃える事には全く異存はありません。しかし、足利尊氏(この本では一貫して高氏)はそこまで悪人ではないと思います。平泉先生は正統である南朝を何事も善、正統ではない北朝は何事も悪という善悪二元論を以って論を展開されています。しかし、それでは平泉先生がよく展開される大東亜戦争は日本が絶対的な悪ではないとの論説と矛盾してはいまいかと思います。大東亜戦争における日本には様々な事情があったのと同様に、北朝方にも事情があるのです。都合のいいところでは自らの意見を通そうとし、悪くなると関係ないと言う。それでは説得力がなくなります。この点だけがこの本の難点です。その他は大変素晴らしい。ですから星4とします。