はてしない物語 (上) (岩波少年文庫 (501)) の感想
参照データ
タイトル | はてしない物語 (上) (岩波少年文庫 (501)) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ミヒャエル・エンデ |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784001145014 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » ドイツ文学 |
購入者の感想
中学生の頃、私は酷く苛められていて孤独でした。今も病気を抱えていて辛いですが、この本が至極支えになっています。
バスチアンという少年は本を読んでいる間は幸せなのです。ハラハラドキドキするような冒険や、喜び悲しみを共にした主人公、仲間たち。物語が終盤を迎えると何となく寂寥感が残る・・・・そんな感じ。私はエンデさんの傑作であるこの書籍が大好きです。愛しています。
バスチアンという少年は本を読んでいる間は幸せなのです。ハラハラドキドキするような冒険や、喜び悲しみを共にした主人公、仲間たち。物語が終盤を迎えると何となく寂寥感が残る・・・・そんな感じ。私はエンデさんの傑作であるこの書籍が大好きです。愛しています。
『はてしない物語』文庫版へ寄せられたコメントを読み
改めて豪華版との違いを考えてみました。
* * * * * *
『はてしない物語』豪華版は、日本の子どもたちが物語を充実して楽しめるよう
翻訳者の上田真而子さん、佐藤真理子さんらによる細心の配慮がなされている。
表紙はあかがね色の絹に二匹の蛇が浮き出ており
なかのページは現実世界を赤、ファンタージエン国を緑の二色刷りに…
1981年2月、翻訳者会議に出席された上田さんは、エンデの意思を忠実に再現した作品を
つくることを第一に考え、原書に限りなく近い作品である豪華版を生み出した。
作者のエンデは日本語訳を担当された上田さんらの努力と熱意に感動し
「日本語版が一番よくできている」と喜ばれたという。
豪華版は価格が高く、ページ数の関係から重く、子どもにとって大きな本になってしまった。
けれど原書に限りなく近く、主人公バスチアンが読んでいる本と同じ装丁にこだわったからこそ
感動、経験、喜び、悲しみ、勇気、愛という感情を主人公バスチアンと共有できる世界へ
導いてくれたように思う。
そこに至るまでには翻訳者をはじめとする、本を生み出す人々の大変な苦労が隠されているに違いない。
『はてしない物語』を手にする日本の読者が、まるで物語の中で冒険をしているような錯覚に包まれるように。
バスチアンと共に成長し、本を読み終えた時1つ違う自分へ生まれ変われるように。
そんな希望を込めて出版された作品だからこそ、現在まで愛される所以となった気がしてならない。
文庫版はコンパクトで、価格が豪華版の半額ほどである。
まだ『はてしない物語』を読んだことのない子どもたちもが手に取りやすい点では素晴らしいと思う。
空想すること・読書することの楽しさを経験する一石としては十分な効果があるだろう。
ただ、図書館などで手にすることができるならば、豪華版がいかに心を込めて作られたものなのか感じてほしい。
改めて豪華版との違いを考えてみました。
* * * * * *
『はてしない物語』豪華版は、日本の子どもたちが物語を充実して楽しめるよう
翻訳者の上田真而子さん、佐藤真理子さんらによる細心の配慮がなされている。
表紙はあかがね色の絹に二匹の蛇が浮き出ており
なかのページは現実世界を赤、ファンタージエン国を緑の二色刷りに…
1981年2月、翻訳者会議に出席された上田さんは、エンデの意思を忠実に再現した作品を
つくることを第一に考え、原書に限りなく近い作品である豪華版を生み出した。
作者のエンデは日本語訳を担当された上田さんらの努力と熱意に感動し
「日本語版が一番よくできている」と喜ばれたという。
豪華版は価格が高く、ページ数の関係から重く、子どもにとって大きな本になってしまった。
けれど原書に限りなく近く、主人公バスチアンが読んでいる本と同じ装丁にこだわったからこそ
感動、経験、喜び、悲しみ、勇気、愛という感情を主人公バスチアンと共有できる世界へ
導いてくれたように思う。
そこに至るまでには翻訳者をはじめとする、本を生み出す人々の大変な苦労が隠されているに違いない。
『はてしない物語』を手にする日本の読者が、まるで物語の中で冒険をしているような錯覚に包まれるように。
バスチアンと共に成長し、本を読み終えた時1つ違う自分へ生まれ変われるように。
そんな希望を込めて出版された作品だからこそ、現在まで愛される所以となった気がしてならない。
文庫版はコンパクトで、価格が豪華版の半額ほどである。
まだ『はてしない物語』を読んだことのない子どもたちもが手に取りやすい点では素晴らしいと思う。
空想すること・読書することの楽しさを経験する一石としては十分な効果があるだろう。
ただ、図書館などで手にすることができるならば、豪華版がいかに心を込めて作られたものなのか感じてほしい。
ただただ素晴らしい。文学作品としての完成度も申し分なく、一気に読みきってしまいました。ファンタジーとはこのように手に汗握るものでなくてはなりません。バスチアンが冒頭で述べている通り、「本は閉じている時、その中で何が起こっているのか」という問いの答えが本書であるような気がします。まるで合わせ鏡の中にいるかのような世界観は圧巻です。
またその物語としての素晴らしさに加えて、現代への風刺も忘れていないあたり、『モモ』の作者であるエンデらしいと言えるのではないでしょうか。虚無の広がりと言うのは、明らかに子どもの本離れや空想力、想像力の低下を示唆しているものではないでしょうか。作者はそれを「虚偽の氾濫」としてはいますが実際にはもう少し深いところに問題はあるはずです。
では真実の名前とはどのような意味を持っているのでしょう。『千と千尋の神隠し』でも『ゲド戦記』でも同じような状態が登場しますが、それは物事の表面にとらわれるな、というくらいの意味を持っているのでしょうか。内面にこそ莫大な力がこもっていると考えても良いでしょう。
三つの門の意味も気になるところです。人生には何かを通過して初めて見える世界というのがあるはずです。上を目指せば目指すほど、上が遠く見えるという事もあるはずです。ですからアトレーュ以外の者が通ったならば、違った意味になるのではないでしょうか。
またはじめは学校においても弱者であったバスチアンがアトレーユの姿を見て勇気をあたえられている場面を見ても、子どもの冒険心をかきたて、弱者でもできる事はあると伝えようとしているのではないでしょうか。まだ上巻のみですが、作者はきっと下巻でバスチアンを活躍させてくれるでしょう。
またその物語としての素晴らしさに加えて、現代への風刺も忘れていないあたり、『モモ』の作者であるエンデらしいと言えるのではないでしょうか。虚無の広がりと言うのは、明らかに子どもの本離れや空想力、想像力の低下を示唆しているものではないでしょうか。作者はそれを「虚偽の氾濫」としてはいますが実際にはもう少し深いところに問題はあるはずです。
では真実の名前とはどのような意味を持っているのでしょう。『千と千尋の神隠し』でも『ゲド戦記』でも同じような状態が登場しますが、それは物事の表面にとらわれるな、というくらいの意味を持っているのでしょうか。内面にこそ莫大な力がこもっていると考えても良いでしょう。
三つの門の意味も気になるところです。人生には何かを通過して初めて見える世界というのがあるはずです。上を目指せば目指すほど、上が遠く見えるという事もあるはずです。ですからアトレーュ以外の者が通ったならば、違った意味になるのではないでしょうか。
またはじめは学校においても弱者であったバスチアンがアトレーユの姿を見て勇気をあたえられている場面を見ても、子どもの冒険心をかきたて、弱者でもできる事はあると伝えようとしているのではないでしょうか。まだ上巻のみですが、作者はきっと下巻でバスチアンを活躍させてくれるでしょう。