太平記(四) (岩波文庫) の感想

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タイトル太平記(四) (岩波文庫)
発売日販売日未定
販売元岩波書店
JANコード9784003014349
カテゴリ古典 » 日本の古典 » 古代・中世文学 » その他の物語文学

購入者の感想

第四冊は、高師直特集です。
新田義貞の弟脇屋義助は北陸で地の利を得られないまま吉野へ合流すると、公家の一人が
これに嫌がらせをし、四国へ赴くものの、当地で空しく病死します。
楠正成の遺児正行は成年に達し南朝方として挑むものの、こちらも四条畷で高氏に敗れ、
その後の南朝は吉野が焼かれて賀名生に逃れます。

足利直義が南朝に与した経過は、なかなか想像できずにいましたが、高氏と対立して
出家せざるを得なくなった直義が、軟禁状態から抜け出して合流するものの、大した
勢力になれないままで、それでも権勢を振るった高氏一族は直義の臣下だった勢力の
憎悪を一身に浴びて、全国的に勢力を失ってあえなく滅びます。

当時の倣いとは言え、累代の家人にまで見放された高氏一族の滅亡は、確かに幕府に
見捨てられた吉良上野の最期に通ずるものがあり、元禄の人々が赤穂浪士の仇討ち事件に
関して、芝居の題材を高師直と塩谷判官に仮託した理由も理解できるようになります。

源平の争乱は、貴族の典雅と武士の矜持との美学どうしの戦いでもありましたが、
足利時代の争乱には見事にそうした美学が欠けていて、その理由に関しても本文で
言及しているほどで、面白いけど、これに続く足利時代の暗い社会を予測させる
要素に満ちている、というのが第四冊までの経過です。

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