もっと知りたい俵屋宗達―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション) の感想
参照データ
タイトル | もっと知りたい俵屋宗達―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 村重 寧 |
販売元 | 東京美術 |
JANコード | 9784808708535 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » ノンフィクション |
購入者の感想
近年とみに「琳派」に脚光があたっています。江戸時代前期に俵屋宗達が確立した装飾画のジャンルを尾形光琳がさらに発展させたことにより、江戸時代を代表するような華麗なる装飾絵画が花開いたわけで、宗達の偉業をたどることは、その後の「琳派」の大きな流れを知る出発点になると思い、本書を手にとりました。
著者の村重 寧氏は、東京国立博物館企画課長を経て、早稲田大学文学部(美術史専修)教授となり、2008年に定年退職されています。宗達や光琳に関する著作も多く、このシリーズの執筆者として最適の方でしょう。
60ページ以降に解説されている国宝の「風神雷神図屏風」は説明不要の名画ですし、34ページの「蓮池水禽図」での抽象的な雰囲気を醸し出す水墨画の美しさは比類のないものです。また、56ページの静嘉堂文庫美術館所蔵の「源氏物語関屋澪標図屏風」も華麗な6曲1双の作品で、美しいモティーフを披露してくれました。
なお、本書で初めて出会った「雲龍図屏風」と「松島図屏風」は、どちらも海を渡りアメリカのフリア美術館に所蔵されています。この二つの作品を観た瞬間、宗達の偉大さを再確認した思いにとらわれました。凄いです、本当に。美術品の海外流出は悲しいことですが、世界の人が宗達の素晴らしさをしっかりと理解してもらえる契機になればそれはそれで日本美術の素晴らしさの普及に役立っているのでしょう。良い企画で分かりやすい叙述ですから、万人にお勧めできます。
著者の村重 寧氏は、東京国立博物館企画課長を経て、早稲田大学文学部(美術史専修)教授となり、2008年に定年退職されています。宗達や光琳に関する著作も多く、このシリーズの執筆者として最適の方でしょう。
60ページ以降に解説されている国宝の「風神雷神図屏風」は説明不要の名画ですし、34ページの「蓮池水禽図」での抽象的な雰囲気を醸し出す水墨画の美しさは比類のないものです。また、56ページの静嘉堂文庫美術館所蔵の「源氏物語関屋澪標図屏風」も華麗な6曲1双の作品で、美しいモティーフを披露してくれました。
なお、本書で初めて出会った「雲龍図屏風」と「松島図屏風」は、どちらも海を渡りアメリカのフリア美術館に所蔵されています。この二つの作品を観た瞬間、宗達の偉大さを再確認した思いにとらわれました。凄いです、本当に。美術品の海外流出は悲しいことですが、世界の人が宗達の素晴らしさをしっかりと理解してもらえる契機になればそれはそれで日本美術の素晴らしさの普及に役立っているのでしょう。良い企画で分かりやすい叙述ですから、万人にお勧めできます。