ファウスト〈1〉 (新潮文庫) の感想

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参照データ

タイトルファウスト〈1〉 (新潮文庫)
発売日販売日未定
製作者ゲーテ
販売元新潮社
JANコード9784102015032
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 外国文学・著者別 » カ行の著者

購入者の感想

ありとあらゆる知識・教養を身に付けながら、なお心が満たされないファウスト博士。そんな彼に、悪魔メフィストーフェレスは契約を持ちかけます。ファウストの探究心を満足させ、「時よ、とどまれ、お前はじつに美しい」と言わせれば、ファウストの魂は悪魔のもの、そう言うまでは、メフィストーフェレスはファウストの下僕として働かなければならない。ファウストはこの賭けに乗り、彼の探索の冒険が始まります。
全編を通して、聖書、ギリシア神話などを題材に取った様々な興味深い逸話が散りばめられていて、いやでも引き込まれていきます。第一部の中では、特にグレートヒェンとの悲恋、そしてワルプルギスの夜の騒乱の場面が圧巻です。
ファウストは、賭けに負ける、つまり魂を悪魔に渡すことによってしか究極の満足を得ることができないわけで、至極逆説的な設定になっています。近代化・科学に対する皮肉、近代人の苦悩などいろいろなメッセージを読み取ることが可能です。ゲーテが書き上げるのに60年かけただけの読み応えで、考えさせられることは、間違いありません。
また訳文も素晴らしく、平易で読みやすいです。翻訳書は読みにくいことが多いので、この本もずっと避けていましたが、実際読んでみると、スラスラと読みやすく、意味もちゃんと通じてきました。名訳の一つだと思います。

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