麒麟の舌を持つ男 の感想
参照データ
タイトル | 麒麟の舌を持つ男 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 田中 経一 |
販売元 | 幻冬舎 |
JANコード | 9784344025981 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 |
購入者の感想
軽めのエンターテインメントとして大変楽しく読ませていただきました。作家としてはいわば新人ですが、文章がこなれているのはさすがですね。読者を飽きさせない場面展開も巧みで、最後まで一気に読み通してしまいました。
さて、このような作品が出るとミステリーとはどうあるべきかとか、戦争をどのように描くべきかといった議論が必ずと言ってよい程出てきます。わたしは本格的ミステリーや本格的な戦争文学の他に肩の凝らないエンターテインメントとしての作品があってもよいという立場なので、アマゾンの批評欄で他のある作品についてもそのような内容を書き込ませていただいたことがあるのですが、全く賛同が得られませんでした。今回もこのような書き込みをすると一部方々から顰蹙を買うのかも知れませんが、わたし自身は間違ったことを言っているとは思いません。逆に本格的ミステリー、本格的戦争文学といった作品を見てみるとほとんど論評が出ていないのが現実で、要はそのような議論を振りかざす人たちは「本格的」と自分たちがいう作品を実際には読んでいないのではないかと疑問に思っています。もっともこの作品についていえば、最後をあそこまでハッピーエンドにしたのは少しやりすぎではないかという疑問は持ちましたが。
作者はよく知られるように「料理の鉄人」の企画プロデューサーで、人間関係も広いのでしょう、新聞広告では沢山の業界関係者から推薦文が寄せられていたのが印象的でした。これは逆に大分損をしたかも知れませんね。一部の人からは反感も買うでしょうし、作家デビューの動機についてもいろいろ邪推されたりもしているようですし。しかし、そのおかげで作家としては新人にもかかわらず多くの読者が得られたのは事実なのですから、仕方がないといえば仕方がありませんね。要は第2作にどのようなものが書けるかが本当の勝負でしょう。
次回作に注目してみたいと思います。
さて、このような作品が出るとミステリーとはどうあるべきかとか、戦争をどのように描くべきかといった議論が必ずと言ってよい程出てきます。わたしは本格的ミステリーや本格的な戦争文学の他に肩の凝らないエンターテインメントとしての作品があってもよいという立場なので、アマゾンの批評欄で他のある作品についてもそのような内容を書き込ませていただいたことがあるのですが、全く賛同が得られませんでした。今回もこのような書き込みをすると一部方々から顰蹙を買うのかも知れませんが、わたし自身は間違ったことを言っているとは思いません。逆に本格的ミステリー、本格的戦争文学といった作品を見てみるとほとんど論評が出ていないのが現実で、要はそのような議論を振りかざす人たちは「本格的」と自分たちがいう作品を実際には読んでいないのではないかと疑問に思っています。もっともこの作品についていえば、最後をあそこまでハッピーエンドにしたのは少しやりすぎではないかという疑問は持ちましたが。
作者はよく知られるように「料理の鉄人」の企画プロデューサーで、人間関係も広いのでしょう、新聞広告では沢山の業界関係者から推薦文が寄せられていたのが印象的でした。これは逆に大分損をしたかも知れませんね。一部の人からは反感も買うでしょうし、作家デビューの動機についてもいろいろ邪推されたりもしているようですし。しかし、そのおかげで作家としては新人にもかかわらず多くの読者が得られたのは事実なのですから、仕方がないといえば仕方がありませんね。要は第2作にどのようなものが書けるかが本当の勝負でしょう。
次回作に注目してみたいと思います。
先へ先へと読ませる力のある本で、半日かけてぶっ通しで読み切ってしまいました。飽きるポイントを作らない、TVディレクターとしてのこだわりを感じました。「人を幸せにするものであるべき」という料理の本質を軸に、壮大なミステリーが展開されます。ミステリー慣れしている読者にはわりとありきたりな下りも散見されましたが、それでも料理の本質に迫る小説として、とても感動致しました。