幸福な田舎のつくりかた: 地域の誇りが人をつなぎ、小さな経済を動かす の感想

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参照データ

タイトル幸福な田舎のつくりかた: 地域の誇りが人をつなぎ、小さな経済を動かす
発売日販売日未定
製作者金丸 弘美
販売元学芸出版社
JANコード9784761513146
カテゴリ経済学・経済事情 » 各国経済事情 » 日本 » 地域経済

購入者の感想

 タイトルどおり「幸福な田舎」のつくりかた事例集だ。著者は全国をくまなく歩き、地域に入り込み、実践活動の中から作品を次々と生み出すライターであるが、この本も、そんな営みの中から生まれた逸品。
 「格差社会」の中で、もっぱら衰退・凋落が伝えられる「田舎」だが、そんな各地にも希望の源泉、エネルギーの鉱脈はある。それを見事に掘り当て、育て上げた事例のレポートである。
 「ないもの」ねだりはやめ、「あるもの」磨きをひたすら行え。「ローカル」を徹底して発信すればメジャーへの道が開ける。そんなことが、この本を貫くモチーフ、メッセージのようだ。
 例えば、山口県の萩で道の駅「萩しーまーと」のトータルプロデュースに関わった駅長さんの話。この駅長さんの前職はリクルート社員、生粋の都会人だった。萩市が行った道の駅駅長の全国公募に応募して駅長に就任。道の駅をただの駅ではない、イベント空間、流通拠点、情報発信基地に育て上げた。ただ、その原点はターゲットをひたすら地元消費者とすること、地元漁業者と密接に連携した事業展開、まさに地域活性化にあった。そして、結果として、道の駅は重要な“観光資源”ともなった。他の土地からも多くの訪問者を迎えている。
 同じく道の駅、高知県の「四万十とおわ」。雄大な四万十の自然を背景に、この道の駅は、ことごとくオリジナル商品を開発して販売する。商品に込められた土地の物語で売るというのがコンセプトのようだ。ここもあることをきっかけに全国から人を呼ぶところとなった。
 他にも、廃校になった明治創立の古い女学校校舎を活用した古道具店や雑貨店、洋服店が開業したり、土地の若手店主が立ち上がり、かつて土地の風物詩だった「金曜夜市」の復活などレトロで土地特有のカラーをひたすら復興することで商店街のにぎわいを見事取り戻したりした熊本県阿蘇一の宮門前町の事例、地元の農業を資源に中学生の農家民泊や体験などの仕組みをいち早く作り上げ、さらには、地域資源をまるごと体験するプログラムに発展させ各地から人を招くことに成功した長野県飯田市の事例などなど、成功事例満載。
 「幸福な田舎」にとどまらず、都会人の生き方、「幸福な都会」のつくりかたのヒントにもなりそうな本だ。

特にいいな、と思ったのは、(1)JA雲南の、都会の消費者への出張販売。トラックで大阪まで、300km、売りに行く。自分らの自慢・農産物、特産物を直に都会で消費者に。食べてもらえば、必ず素晴らしさを納得される。実際に生産地を訪れたくなる。(2)南信州公社の農家民宿。最近ではどこでもやってる農家民宿。でも、老舗的な原点が見える。

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