スマート・テロワール : 農村消滅論からの大転換 の感想

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参照データ

タイトルスマート・テロワール : 農村消滅論からの大転換
発売日販売日未定
製作者松尾雅彦
販売元学芸出版社
JANコード9784761513443
カテゴリジャンル別 » 歴史・地理 » 地理・地域研究 » 世界遺産

購入者の感想

待望の著書が発刊された。実業に携わる方が日本農業について本格的な論考を展開したことにまずは敬意を表したい。
著者はカルビー社の経営に携わりながら、同社のビジネス戦略の要諦である原料ポテトの調達を巡って様々な破壊的イノベーションを繰り返し、その体験を通じて日本農業の抱える根本問題を読み解き、その解決策について実に深い論考を展開して、体系的でしかも極めて具体的な処方箋を描き出した。
日本農業を巡る悲観論の洪水
日本農業の将来について多くの悲観的な情報が飛び交っている。
農業の担い手が高齢化し、しかも後継者が不足していること。
政府の農業政策が長期にわたって稲作を中心に展開され、これがコメの生産過剰をまねき、多くの休耕田や耕作放棄地が政策の失敗の置き土産として残されてしまったこと。
巨大な農業国である米国やオーストラリアそしてニュージーランドなどが主導権を握るTPPがこれまで以上に農畜産物の市場開放を進めることになり、生産性が低く高価格な日本の農畜産物の敗戦が濃厚に見えていること。
何よりも巨額の補助金が投下されているにもかかわらず自給率39%の改善が一向に進まないこと。
などなど悲観的な要素を上げればきりがない。
難問あまたの日本農業にはたして起死回生の妙手はあるか?
各方面から日本農業改革案が打ち出されている。アベノミクスの規制改革、地方創生策の中にも日本農業の再生に向けて照準が向けられている政策が散見される。
農協改革、農地委員会改革、農業法人改革などが試行されようとしている。いずれも規模の拡大と農家の経営改革が中心に据えられている。
しかしこれらの政策はいずれも農業の環境ともいうべき農村の改革を意図したものではない。農村とは切り離された形で農業が独り歩きでき得るという前提でイメージされている。しかし農業は農村という環境とともに語られなければ最適解は得られない。農村抜きの改革はすべてが個別最適であっても全体最適をもたらすものではない。

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