FUKUSHIMA―小説 の感想

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タイトルFUKUSHIMA―小説
発売日販売日未定
製作者圓山 翠陵
販売元養賢堂
JANコード9784842505046
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購入者の感想

311直後から一体何がどう進んでいたのか全く把握できなかった福島原発での出来事が人間模様も含めて手に取るように分かり(もちろんフィクションと分かっていますが)一気に読んでしまいました。
東電本店や官邸と現地でのやりとりでは、現地に人・物・金の何も支援をしないくせに、やたら情報を欲しがる本店や官邸の姿は、私がとある会社の製造現場の管理者をしていたときの経験を思い出せてくれました。合理化で人も減らされ補修費も減らされた中で製造設備が傷んでいく様をくやしく見ていた時代と、その後経営方針がころっと変わり湯水のように金を付けて設備の”血止め”をしていた時代の二つを思い出しました。”その後”の時代では一緒に整備工事をしていた仲間を事故で亡くすという苦い経験もありました。福島の話を読んでいるはずなのに、自分のことのように感じ心が揺れました。
今後は、自分自身が東城直樹のような管理者にならないように、常に現場を第一に考える管理者となるように心掛けていくこと、これは大変に難しいですが
やっていこうと改めて思いました。最後の方で、準主役の坂井真之が言った「何で、私たちはあの原発事故を防げなかったのでしょうね。」という言葉がすべてを物語っています。
ちなみに、登場人物の名前(もしかしたら経歴も)は著者の大学の研究室に関係の深い方々由来するネーミングです。物語の終わりの方には抜山研究室(過去に熱工学の研究室として実在)の助教授としてご自身が登場しているところに著者にしかできない”遊び”を感じました。

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