夜と霧 新版 の感想
参照データ
タイトル | 夜と霧 新版 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ヴィクトール・E・フランクル |
販売元 | みすず書房 |
JANコード | 9784622039709 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » 文学・評論 |
購入者の感想
つまりは人間を「YES」と言えることに他ならない そう思った。
私達がここまで強く、そして優しくなれるかどうかは全くわからない。
自分には自信がない。
だが、こういう本を書き残せた人がいたという記憶は、
自分が生きている限り忘れたくない そう思った。
私達がここまで強く、そして優しくなれるかどうかは全くわからない。
自分には自信がない。
だが、こういう本を書き残せた人がいたという記憶は、
自分が生きている限り忘れたくない そう思った。
実はこれまで、名著であることは知っていたが自分自身で実際に手に取ったことは無かった。
ヴィクトール・E・フランクルは、4つの強制収容所を経験した。
そして、父と母、兄、妻は収容所で命を落とした。
精神科医としての立場からフランクルは、収容所で過ごした自身の経験を本書に記した。
そして、絶望的な状況の中で、人にどのような精神的な変化が起きるのかを、自身また周囲の人間の体験として克明に記している。
驚くべきことに、強制収容所のような想像できる限り最悪の状況にあっても、人は精神的に成長し、内面の強さを育てることが可能であったこと、
また、精神的に成長しようという決意を、どのような過酷な環境も奪うことができなかったことをこの本に記している。
読書中、自分自身の人生が、『夜と霧』を読む以前と以後に分けられるのではないかと思うほど心をゆすぶられた。
千円(=本書の価格)で、人生が変化することはまずない。
ところが、本書を手に入れて読めば、あなたの人生は確実に変化すると思う。
是非手に取ってみてください。
私は、自分の子供たちが、思春期に入ったら本書を絶対読んでほしいと思っています。
追記:
本書について、中傷とも思われる書き込みがなされていて心を痛めるが、本書は、ナチスに対する恨みや断罪の書ではなく、過酷な環境でも絶やすことのできない人間の精神の力強さを歌い上げた本である。
ヴィクトール・E・フランクルは、4つの強制収容所を経験した。
そして、父と母、兄、妻は収容所で命を落とした。
精神科医としての立場からフランクルは、収容所で過ごした自身の経験を本書に記した。
そして、絶望的な状況の中で、人にどのような精神的な変化が起きるのかを、自身また周囲の人間の体験として克明に記している。
驚くべきことに、強制収容所のような想像できる限り最悪の状況にあっても、人は精神的に成長し、内面の強さを育てることが可能であったこと、
また、精神的に成長しようという決意を、どのような過酷な環境も奪うことができなかったことをこの本に記している。
読書中、自分自身の人生が、『夜と霧』を読む以前と以後に分けられるのではないかと思うほど心をゆすぶられた。
千円(=本書の価格)で、人生が変化することはまずない。
ところが、本書を手に入れて読めば、あなたの人生は確実に変化すると思う。
是非手に取ってみてください。
私は、自分の子供たちが、思春期に入ったら本書を絶対読んでほしいと思っています。
追記:
本書について、中傷とも思われる書き込みがなされていて心を痛めるが、本書は、ナチスに対する恨みや断罪の書ではなく、過酷な環境でも絶やすことのできない人間の精神の力強さを歌い上げた本である。
「夜と霧」には旧版がありますが、それとの相違点について書いてみたいと思います。
まず、旧版は1947年、新版は1977年に刊行された原典をもとにしています。1977年版にはいくつかの改訂が加えられていますが、1947年版の主旨が置き換わるほど大きなものではありません。
次に、旧版は上智大学名誉教授の霜山徳爾氏、新版はドイツ文学翻訳家の池田香代子氏が翻訳しています。霜山氏の訳文は学者らしい切れのある文体、池田氏の訳文はていねいな読みやすい文体です。
最後に、新版には旧版にあった「解説」「写真図版」という資料が削られています。「解説」はドイツ強制収容所の過酷な実態を70ページ近くにわたって緻密に説明したもので、「写真図版」はそれを視覚的な面から補足しています。
私個人としては、良かった点もあれば残念な点もあるので評価は星3つです。良かったのは池田氏の訳文が「夜と霧」を新しい側面から照らしてくれたことです。ただし、新版が登場したからといって、旧版すばらしい訳文の価値が下がることはないように思います。
残念だったのは資料が削られたことです。私の場合、フランクルの言葉にどれほどの重みがあるかが資料を読むことではじめて分かった面もあったからです。「この本を若い人に読んでもらいたい」のが新版刊行の理由だそうですが、それならなおさら資料に意味があったのではないかと思います。
総じて新版は旧版と比較して「軽くなった」という印象です。文章は読みやすくなり、資料は削られました。ただ、このような本を軽くしてよいのかには疑問があります。旧版を手にする機会があれば、一読することをお勧めします。
まず、旧版は1947年、新版は1977年に刊行された原典をもとにしています。1977年版にはいくつかの改訂が加えられていますが、1947年版の主旨が置き換わるほど大きなものではありません。
次に、旧版は上智大学名誉教授の霜山徳爾氏、新版はドイツ文学翻訳家の池田香代子氏が翻訳しています。霜山氏の訳文は学者らしい切れのある文体、池田氏の訳文はていねいな読みやすい文体です。
最後に、新版には旧版にあった「解説」「写真図版」という資料が削られています。「解説」はドイツ強制収容所の過酷な実態を70ページ近くにわたって緻密に説明したもので、「写真図版」はそれを視覚的な面から補足しています。
私個人としては、良かった点もあれば残念な点もあるので評価は星3つです。良かったのは池田氏の訳文が「夜と霧」を新しい側面から照らしてくれたことです。ただし、新版が登場したからといって、旧版すばらしい訳文の価値が下がることはないように思います。
残念だったのは資料が削られたことです。私の場合、フランクルの言葉にどれほどの重みがあるかが資料を読むことではじめて分かった面もあったからです。「この本を若い人に読んでもらいたい」のが新版刊行の理由だそうですが、それならなおさら資料に意味があったのではないかと思います。
総じて新版は旧版と比較して「軽くなった」という印象です。文章は読みやすくなり、資料は削られました。ただ、このような本を軽くしてよいのかには疑問があります。旧版を手にする機会があれば、一読することをお勧めします。