勝者の代償―ニューエコノミーの深淵と未来 の感想

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参照データ

タイトル勝者の代償―ニューエコノミーの深淵と未来
発売日販売日未定
製作者ロバート・B. ライシュ
販売元東洋経済新報社
JANコード9784492222232
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会一般

購入者の感想

衝撃の本でした。これは、小泉内閣以降、「日本を改革する」と
言われ、米国流競争社会の勝者の法則(ニューエコノミー)を持ち込んだあげくに、
その結果、いったい日本社会がどうなったのか?を、そのまま描いたような錯覚
に陥ります。

テクノロジーの驚異的発展と経済のサービス化によって、好き嫌いに
関わらず、国民がほとんど全員「賃金労働」に組み込まれ、24時間
365日、オンデマンドで仕事に向き合わざるを得ない昨今、それが
果たして、国民に真の幸福をもたらしているのか?という検証が本書
のテーマです。これは、携帯電話やPC、ネットなどを駆使するビジネス
パーソンには思い当たる節が多いのではないでしょうか?

国富の配分が不均衡になり、勝者は益々富み、敗者はどんどん貧困化
し、自分の時間を低賃金の個人向けサービスに振り分けてもなお、
生活のために、もっともっと労働をしなければいけないという現実。

コミュニティも会社組織も以前とは異なり、破壊された後、再構築された
価値連鎖は、分離された財とサービスと労働者の連鎖がコンポジット化されて、
人間性はさておき、経済効率性のみが追及されるという世界。

瞠目すべき、「課題」の克明な掘り起こしと整理もさることながら、
組織人、会社人としての勝利は崩壊し、個人の売り込み、ブランディング、
アピールが勝利の法則のひとつである、という検証は、読者の今後の
生き方にも多いにインパクトを与えると同時に、今、流行の個人成功者に
よる自己啓発本、ビジネス本のブームを納得させるものがあります。

コミュニティ、家族はサービス経済化されて、グローバリズムの波に飲み込まれ
る。本書では、「暴走したグローバリズム資本主義」によって、経済合理性の
勝者の国、米国(も日本も他の追随する国々も)と米国国民が失ったものを
ひとつひとつ検証し、何を得て、何を失い、何を変革することが幸福なのか?
という、重い課題をつきつけます。

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