羽―進化が生みだした自然の奇跡 の感想
参照データ
タイトル | 羽―進化が生みだした自然の奇跡 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ソーア ハンソン |
販売元 | 白揚社 |
JANコード | 9784826901697 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 生物・バイオテクノロジー » 動物学 |
購入者の感想
タイトルどおり、最初から最後まで「羽」について論じた本である。具体的には、進化、綿羽、飛翔、装飾、機能という5つの視点から鳥の羽について論じている。
羽の進化について解説した第1部は文句なしにおもしろい。羽の発生過程に関する理論を下敷きにして、鳥類は獣脚類恐竜から進化したと主張するリチャード・プラム。それに対して、両者の類縁関係は認めつつも、恐竜は鳥の直接の祖先ではないとするアラン・フェドゥーシア。そして、羽の生えた獣脚類の化石を中国で次々と発掘し、プラムの説を裏打ちしていく徐星。本書第1部では、そんな論争とその成り行きが、当事者へのインタビューも交えながら生き生きと紹介されている。驚くべき姿をした羽毛恐竜の復元図なども掲載されていて、読者もワクワクしながら読み進めていくことができるのではないか。
ただ、それに続く章では、話がところどころ散漫になっている印象が拭えない。たとえば第11章で、著者は「婦人帽の羽」の歴史を詳述し、最終的には個性的な帽子デザイナーにインタビューをしている。しかし、その内容はあくまでもコラム的なものであり、そこから何か重要な科学的見解が引き出されているわけではない。それゆえ、本書にサイエンス読み物としての性格を期待していた読者にとっては、どうしても物足りなさが残ってしまうのではないか。
そういうわけで、わたし個人としては、話がもっと生物学(とくに進化論)に集中していたらと思う。ただたしかに、この著者の文章は軽やかで、ユニークである。だから、トピックが雑多であることを承知したうえで、その文章を味わうというのもけっしてわるい読書ではないかもしれない。
羽の進化について解説した第1部は文句なしにおもしろい。羽の発生過程に関する理論を下敷きにして、鳥類は獣脚類恐竜から進化したと主張するリチャード・プラム。それに対して、両者の類縁関係は認めつつも、恐竜は鳥の直接の祖先ではないとするアラン・フェドゥーシア。そして、羽の生えた獣脚類の化石を中国で次々と発掘し、プラムの説を裏打ちしていく徐星。本書第1部では、そんな論争とその成り行きが、当事者へのインタビューも交えながら生き生きと紹介されている。驚くべき姿をした羽毛恐竜の復元図なども掲載されていて、読者もワクワクしながら読み進めていくことができるのではないか。
ただ、それに続く章では、話がところどころ散漫になっている印象が拭えない。たとえば第11章で、著者は「婦人帽の羽」の歴史を詳述し、最終的には個性的な帽子デザイナーにインタビューをしている。しかし、その内容はあくまでもコラム的なものであり、そこから何か重要な科学的見解が引き出されているわけではない。それゆえ、本書にサイエンス読み物としての性格を期待していた読者にとっては、どうしても物足りなさが残ってしまうのではないか。
そういうわけで、わたし個人としては、話がもっと生物学(とくに進化論)に集中していたらと思う。ただたしかに、この著者の文章は軽やかで、ユニークである。だから、トピックが雑多であることを承知したうえで、その文章を味わうというのもけっしてわるい読書ではないかもしれない。