ド・ローラ節子が語る バルテュス 猫とアトリエ の感想

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参照データ

タイトルド・ローラ節子が語る バルテュス 猫とアトリエ
発売日販売日未定
販売元NHK出版
JANコード9784140816356
カテゴリジャンル別 » アート・建築・デザイン » 絵画 » 西洋画

購入者の感想

作品集でもあり、写真集でもあり、バルテュス論・芸術論でもあります。

アトリエと住居の写真がそれぞれ、扉を開けて奥へ、そして細部へと視線を移すように構成されています。そうするうちに、作品の数々が登場。

開催中の展覧会には出品されていない晩年の「猫と鏡」の連作が全点掲載されており、「猫と鏡’3」は、バルテュスによる加筆修正のビフォアアフターが見られます。ほとんど間違い探しのような差異は、節子夫人と高階秀爾氏が図らずも口を揃える「飽くことなき美の追求」の軌跡なのかもしれません。ただ、晩年の作品より、巨匠扱いされる前の作品の方が緊張感がある気がします。中でも「部屋」という巨大な作品が強烈でした(篠山紀信氏が「光の暴力」と評していた。この本には篠山氏によるバルテュスのポートレートも掲載あり)。

節子夫人は、バルテュスのために常に曇りのない鏡であろうとしたのだと思われます。その言葉には、自分を律してきた人の揺るぎなさがあります。自身がモデルを務めた作品の制作過程、そしてその作品を見るときの感覚について語るときにも、そのしなやかな強さが感じられます。

フリーズしたようなバルテュス作品の登場人物を見ていると、高階秀爾氏の「存在のモニュメント」という言葉が頭をよぎりました。

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