福島と原発 3: 原発事故関連死 の感想
参照データ
タイトル | 福島と原発 3: 原発事故関連死 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 福島民報社編集局 |
販売元 | 早稲田大学出版部 |
JANコード | 9784657150011 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » エネルギー » 核・原発問題 |
購入者の感想
震災関連死の問題は、福島原発事故の人体に対する影響として最も学ばなければならない問題だと思います。それにもかかわらず、この問題の科学的な調査、即ち原発事故に伴って放射線影響を軽減するためにおこなわれた筈の避難が、逆に千数百人もの震災関連死をもたらし、現在も増え続けているのは、回避された被ばくのリスクとの比較で、合理性が認められるのかに関しては、突っ込んだ研究は殆ど行われていない様子です。一時環境省が各県の統計を分析していたようですが、最近はそれも中断してしまっているようです。この問題の研究には個々の震災関連死の事例に踏み込んだ分析が必要になると思いますが、個人情報保護の風潮(故人の情報は個人情報保護法の対象には含まれないにもかかわらず)も影響しているのかなと思います。そういった点から考えて、この労作に出ているエピソードは、涙のこぼれるような話しが詰まっていますので、これに触発されて社会科学などの分野の研究者の突っ込んだ研究が世界的にもそ待たれていると言っても過言ではないと思います。更に震災関連死の問題の背景には、低レベル放射線被ばくの人体に対する影響を科学的な合理性を持って正しく評価する必要性があり、奥深い問題と思います。