次なる金融危機 の感想

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タイトル次なる金融危機
発売日販売日未定
製作者スティーヴ・キーン
販売元岩波書店
JANコード9784000612678
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 経済学

購入者の感想

この本の主旨は明快です。金融危機は民間の借金の残高が大きい時に生じるが、現在では、多く国で借金残高が増加しており、多くの国で金融済危機が起こる可能性が高い。だが、それが生じる時期は分からない、というものです。

この経済学者は、主流派ではないと自ら告白しています。ミンスキー・モーメントで有名なミンスキーを信奉する学者です。この本の中で、主流派とは、政府や中央銀行に採用されている理論であるとしています。私はこのようなことは、考えたことがなかったので、一種の衝撃をうけました。確かに、そうかも知れないと思いました。

政府は、政策に合う都合の良い経済理論を求めているはずで、そのような、理論を採用しているはずです。となれば、借金残高が大きくなると金融危機が起きるというようなことを言う学者の説は、当然、採用されないでしょう。現在は、どの国でも借金をして経済活性化させるようにしています。それに水をさすようなことを言う学者は、無視されるのが当然です。政府からだけでなく、いつの世の中でも、不吉な予言をするキャサンドラは嫌われます。

しかし、現実には、大きな借金残高は、経済が停滞し始めると、大きな逆流を起こすことは良く知られています。

この本は、正統とされる経済理論とは何か、というようなことを考える機会を与えてくれます。経済学者は文章のうまい人が多いですが、この本はそう読み易い方ではないかもしれません。説明も、あまり親切ではありません。

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