国家神道 (岩波新書) の感想

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参照データ

タイトル国家神道 (岩波新書)
発売日販売日未定
製作者村上 重良
販売元岩波書店
JANコード9784004121558
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購入者の感想

国家神道の前にも宗教としての神道がありました。そこからの歴史が記載されています。
明治以降、終戦までの間が国家神道で、それについてなかなか詳しく記載がなされています。
昔の法律文がそのまま転載されていたりして読みにくいですが、そういう事実から論旨を積み上げています。
戦後の神社本庁についても少し触れられています。
神道が天皇制とともに政治に利用され、国民支配の道具になっていました。
国民は政府の進める聖戦にかり出され、政策にわずかな疑念を表現しただけで処罰された。
宗教は理屈ではなく、精神的なものだから、有無を言わせないわけでしょう。
究極が靖国神社であり、なぜか戦後もその立場を捨てていないし、それさえ知らない人が多い。
文字が小さく、詳細な内容だけに、やや大変ですが、非常に良く書いてあると思います。
多くの方に読んでいただきたい良書です。

明治国家が、神道を国家宗教と決めて、太平洋戦争で破れるまでのおよそ80年間。
国家神道は、日本人の精神に、大きな影響を及ぼしていた、と村上はこの書で述べている。
最初の章では、古代から幕末までの、神道をめぐる日本史の流れが、見事なまでに簡潔にまとめている。
一般的に、明治以降の歴史は、大正時代に、一時的にデモクラシーの時代になったが、
その後、226事件以降、急に右傾化した、という歴史の流れが語られる。
しかし、国家神道という視点から見た日本の近代史は、一貫して支配が強化されていく歴史だった。
また、靖国神社についても詳しく語られていて、何故、政治家の靖国参拝が問題なのかが、明快にわかるようになっている。

初版から40年以上経った古典であり、その後新たな資料や知見も提出されているであろう。その点では改めるべき箇所もあるかもしれない。しかし、国家が宗教を完全に管理し国策に奉仕させた歴史は否定できない事実であり、その意味でも日本の近現代史を考える上でこの視点は重要である。今身近にある神社のありかたを見直す契機にもなる意味で貴重な文献である。

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