モチーフで読む美術史 (ちくま文庫) の感想

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参照データ

タイトルモチーフで読む美術史 (ちくま文庫)
発売日販売日未定
製作者宮下規久朗
販売元筑摩書房
JANコード9784480430762
カテゴリジャンル別 » ノンフィクション » アート・エンターテイメント » アート・芸術

購入者の感想

 書店で本書のタイトルと「画期的な名画鑑賞入門」という帯に目がとまり、つい購入してしまった。本書のタイトルにある「モチーフ」とは、「文学・美術などで、創作の動機となった主要な思想や題材」という意味である。
 
 本書は、「東京新聞および中日新聞に二〇一三年一月四日から四月五日まで連載された「神は細部に宿る モチーフで読み解く美術」をもとに、新たな話をいくつか書きくわえ、図版をふやして加筆修正したもの」(本書、270頁)である。
 
 目次を見ると、「羊」、「仮面」や「雷」など動物、モノや自然現象などのモチーフが取り上げられている。1つのモチーフについて解説文が見開き2頁で、その解説文に関連した、カラーの図版が次に載せられている。読者にとって見やすく、分かりやすい内容となっている。

 例えば、本書の表紙に載せられているヤン・ファン・アイクの≪アルノルフィーニ≫がある。夫婦と奥に移っている鏡に注目してしまうが、本書では夫婦の間に描かれている、小さな犬に注目している。「犬はもっとも古い家畜であり、馬とともに人間のもっとも忠実な友」(8頁)とあり、「忠誠」という意味があるらしい。また、女性のそばに「犬」というモチーフがあると、その女性の夫への貞節という美徳を表しているそうだ(9頁)。

 他にも、「ライオン」では西洋でも東洋でも百獣の王として表現されてきたが(42‐43頁)、一方の「竜」では西洋では悪、東洋では善を表すなど(62‐63頁)など地域によって捉え方が違うことが分かる。

 美術館で絵画鑑賞する時は絵の色使いや構図を見ているが、モチーフを通して絵画を見るという見方も興味深いと思った。

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