痛くない体のつくり方 姿勢、運動、食事、休養 (光文社新書) の感想

ストレートネックからの頸椎ヘルニア発症で、姿勢が痛覚に及ぼす影響は身をもって知ることになった。
手っ取り早く痛みを緩和させる技法が惜しみなく公開されており、ペットボトル温灸と爪楊枝鍼は素人でも扱えるという点で優れものである。軽い肩こりから深刻なペインコントロールまで適用範囲も広く、この方法を知るだけでも新書一冊分の値段は優に回収できると思われる。

本書の副題は、姿勢、運動、食事、休養であるが、姿勢制御がメインの話であり、後の３題にはさほど目を引く情報はない。
姿勢制御の話の中では、首や股関節、肘の基本的な置き位置が記されており、日常的な所作を美しくするだけでなく、
頑健性の高い身体を作るヒントにもなるように思われた。

著者は、武術家の甲野善紀の教え子でもあり、武術に造詣が深い点でもその身体論には傾聴の価値ありである。