迅雷 (文春文庫) の感想
参照データ
タイトル | 迅雷 (文春文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 黒川 博行 |
販売元 | 文藝春秋 |
JANコード | 9784167447076 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 |
購入者の感想
今回の主役はやはり世間の「外れもん」稲垣と友永。稲垣は自称「ごと師」と言っているが、当たり屋で膝を痛めて若干身体の不自由はあるが、頭は回る。
友永はステンレスのダライコの回収業者。これにケンという物言わぬ格闘家を加えて、やくざの親分を誘拐して金を取ろうという飛んでもない連中だ。だが、どの
黒川作品にも共通する、大阪を舞台にした、大阪人による大阪弁の世界。どこか、滑稽さとわきの甘さと、それが故のユーモアたっぷりの騙しあいが展開
される。スピード感と緊張感たっぷりのアクションも多くて、さすが黒川と思わせてページをめくる手が止まらない(これを米国ではPage Turnerというらしい)。
もう一つ多くの黒川作品に共通するのがコンビの地味な友情。多分、黒川はそんな「友情」なんって甘ったるい言葉は嫌いだろうから敢えて強調しないが、
稲垣と友永、ともに恵まれない少年時代を過ごした二人の30男が、表現力は拙いなりにお互いを信頼し、命を懸ける姿は読んでいてわくわくさせられる。
最後の終わり方もまたかっこいいのだ。まったく、かっこよくないこのコンビが、最後はこのような終わり方でかっこよく終わるところに黒川の美学を感じられ
る。読後すぐに、次に読む黒川作品を探すのが私の習慣になっている。
友永はステンレスのダライコの回収業者。これにケンという物言わぬ格闘家を加えて、やくざの親分を誘拐して金を取ろうという飛んでもない連中だ。だが、どの
黒川作品にも共通する、大阪を舞台にした、大阪人による大阪弁の世界。どこか、滑稽さとわきの甘さと、それが故のユーモアたっぷりの騙しあいが展開
される。スピード感と緊張感たっぷりのアクションも多くて、さすが黒川と思わせてページをめくる手が止まらない(これを米国ではPage Turnerというらしい)。
もう一つ多くの黒川作品に共通するのがコンビの地味な友情。多分、黒川はそんな「友情」なんって甘ったるい言葉は嫌いだろうから敢えて強調しないが、
稲垣と友永、ともに恵まれない少年時代を過ごした二人の30男が、表現力は拙いなりにお互いを信頼し、命を懸ける姿は読んでいてわくわくさせられる。
最後の終わり方もまたかっこいいのだ。まったく、かっこよくないこのコンビが、最後はこのような終わり方でかっこよく終わるところに黒川の美学を感じられ
る。読後すぐに、次に読む黒川作品を探すのが私の習慣になっている。