米陸軍サバイバル全書 [新版] の感想

本書の原本は米国陸軍兵士のための教本。一部をアウトドア用に出版し、第２版では核の部分を全部削除していたという。今回の大災害をきっかけに、核兵器への対処法も入れてある。
第一番に心理を取り上げ、ついで医療、水と項目が進むが、どれも的確、簡潔ですっきりしている。ぜひ英文の完全版で接したい本。いかに心理面が重要かがわかる。
具体的に自分をその状況に置いてみて、想像しながら読むと、いざというときにちがう、と思う。訓練した兵士はサバイバルできるが、予行演習をしていないと死ぬ確率が高いという。核に関しては、東北、関東は、想像どころか現在がサバイバル状況なのだ。若い両親が、この本を読んで、子供たちをキャンプに連れてゆく。たった一つでもよいから、実際に経験してみたらどうだろう。釣り竿がないときに、店で買うのではない、いま、この場で工夫して魚を釣る。一生忘れないだろうし、役に立つ。悪い環境に放り込まれたときに、自分で自分の身体を清潔に、健康を保つ方法などは、いままで日本の教科書で見ただろうか。これは読んで楽しむための書物ではない、読んでから自分も試してみる道案内。なにかあったときに、必ず助けになる。